アクアリウムをやっているのであれば避けては通れないのが「水合わせ」。
生体によってはあまり気にしなくていい場合もありますが、とても水質の変化に敏感な生体もいるので、やはり水合わせは大切な事には変わりありません。
特にエビは水質の変化に敏感な事でも有名ですし、水合わせをしなかったために全滅してしまった、なんて声も聞く事が多いです。
今回は水合わせの重要性と、失敗しない水合わせの方法などを詳しくご紹介していきたいと思います。
目次
水合わせしないと危険
すべての水生生物にとって、水は私たちでいうところの空気と同じようなものです。
つまり水の性質があまりにも違い過ぎると、生体に多大なストレスとダメージを与えてしまいます。
水質の急激な変化が体調を崩すきっかけとなって、次々と死んでしまう事になり兼ねません。
一見して同じように見える水でも、実際には成分が非常に異なっている場合が多々あります。
基本的に、別の水槽であれば水質は違うと認識しておいた方が良いでしょう。
そもそも水合わせとは
水合わせとは元いた水と、これから投入する先の水との水質を合わせる作業です。
水は同じに見えていても、実際には温度やPH(ペーハー)といって酸性やアルカリ性など様々な性質が異なっているものです。
これを可能な限り合わせないと水槽に入れた途端に生体が死んでしまう可能性が高くなります。
また両方の水温を同じに合わせる「温度合わせ」も水合わせの一環と言えるでしょう。
ですので一般的に水合わせを行う際には、まず水の温度合わせを行ってから水質を合わせていく作業が広く用いられています。
水合わせをしなくても良い場合もある
場合によっては水合わせをしなくても良い時があります。
それはとても丈夫な生体を扱う場合や、既存の水槽の水を使用して新しい水槽を立ち上げるといった場合ですね。
しかし、いくら丈夫な生体だからといって過信は危険なので、やはり簡単な水合わせくらいは行っておく方が安心できます。
アクアリストの中にはミナミヌマエビなどたくさん繁殖したエビには水合わせをしない人も多くいると言われています。
しかしいくら数が多くいるとはいえ、さすがに少々可哀そうな気がするので、私は簡単にでも水合わせを行うようにしています。
お手軽な水合わせの方法
購入してきたエビなどをそのまま購入時の袋のまま水槽に30分程度浮かべておきます。
その後袋に数か所、つまようじや針で穴を開けます。
するとその穴から少しずつ水が出入りして自然に混ざっていきます。
この状態で1時間から2時間放置し、水槽に入れれば大体は水合わせOKです。
私もほとんどこの方法で水合わせを行っていますが、ほぼ問題なく水合わせができています。
ただし、あまりに長い時間をかけすぎると酸欠状態になってしまって危険なので、大きな袋でなるべくスピーディーに行う必要があります。
エビの水合わせに失敗した場合
万が一エビの水合わせに失敗している場合、エビの反応を見ればおおよそ判断する事ができます。
エビが水質の変化によってパニック状態になっている場合には、水槽内を落ち着きなく泳ぎ回るようになります。
もしくはじっとして動かなくなっている場合には注意が必要です。
しばらくして落ち着けば問題ないですが、時間が経ってもせわしく泳ぎ回っているという場合には水合わせを失敗している可能性があります。
水合わせが上手くいっていない場合、突然死ぬだけではなく、翌日以降になって一匹、そしてまた一匹と徐々に死んでいく事もよくあります。
中には一週間経過した後に急に死んでしまい、何が原因で死んでしまったのか全く分からない、という状況になる事もあるくらいです。
この辺りが水合わせの際のPHショックの恐ろしいところで、一見して上手くいっているように見えていても、実際には上手くいっていないという事もあるという事です。
本格的な水合わせ方法
本格的に水合わせを行う方法が「点滴法」と呼ばれている方法です。
ビーシュリンプなどの高価なエビを水槽に入れる際には絶対に水合わせに失敗したくないもの。
そういった場合には念入りに時間をかけて水合わせを行った方が良いですね。
点滴法とは、点滴のように一滴ずつポツリポツリと水を添加していってゆっくりと時間をかけて水合わせを行う方法です。
時間はかなり掛かりますが失敗が少なく、確実に水合わせができるという点で評判が良いです。
方法自体はサイフォンの原理を利用した簡単なもので、用意するものも少なくて済みます。
材料は以下の通りです。
- エアポンプ
- エアチューブ
- 一方コック
- エアストーン
とりあえずこれだけあれば点滴法が行えます。
注意点として、点滴法は時間がかかります。
二時間以上かけて水合わせする事もあるくらい長時間になりますので、その間の酸欠防止のためにエアレーションを掛けておくとより安心できます。
方法に関しては動画などを参照する方が分かりやすいでしょう。
チャームさんの動画などがとても参考になりますのでおススメですよ。
また水合わせキットなるものも販売されています。
水合わせに必要なものが一式揃っていますので、これを購入しておくといざと言う時に活躍してくれるはずです。
水換えも注意!
水合わせだけではなく、水換えの際にも注意が必要です。
エビは水換えにも大変敏感ですので、あまりに多くの水を入れ替えると水質変化に体がついていけず、突然死んでしまう事があります。
私は以前、7匹のミナミヌマエビのうち、4匹を水換え時に死なせてしまった経験があります。
水換えの量が多いというだけで、その半数以上がわずか数時間で死んでしまったのです。
かなりショックでした・・。
大きい個体は耐えてくれていましたが、小さいエビが死んでしまったという感じですね。
エビのPHショックは想像以上に頻繁に起こり得ます。
エビの水合わせ、水換えの際には特に注意して慎重に行うようにしてください。
まとめ
エビなどの水質の変化に特に敏感な生体を飼育する場合には、水合わせは必ず行った方が安心です。
水合わせは簡単にできる方法がありますが、点滴法という方法がおススメです。
時間がかかりますが、より確実に安全に水合わせを行う事が出来るので評判が良いです。
水槽立ち上げ時、新規に生体を導入する際、また水換え時には後になって後悔しないように特に水質や水温合わせには気を配りましょう。