アクアリウムをやっていると、一度は挑戦してみたくなるのが「水草の絨毯」でしょう。
水槽の底一面に広がる水草が、まるで絨毯のように見えて、水槽全体の景観を良くしてくれます。
そんなアクアリストたちの憧れの的になっている事も多い緑の絨毯ですが、育て方を知っていないと作るのは結構難しかったりします。
そこで今回は水草の絨毯を作るための条件やコツを、種類別にご紹介していきたいと思います。
目次
底床にはソイルを使用
前景草と呼ばれている緑の絨毯を作る事ができる水草たちを生い茂らせるためには、栄養を根からしっかりと吸収できるように、水草が育ちやすいソイルを使用するのが重要ポイントです。
栄養が少ないソイルだと、上手く育たないので別途底床に固形肥料を埋め込むなどして栄養を追加してあげる必要があります。
照明は強めなものを使用
水草の生長には光量が多めで強い照明機材が必要不可欠です。
前景草は最も照明から遠いところに生えている水草ですので、光が弱いと上手く育たない事が多いのです。
一般的に売られている照明は十分明るくて、水槽内をきれいに照らしてくれますが、水草を育てるとなると少し注意が必要です。
水草育成のために開発された、十分な光量を出せる照明を用意しておくと水草絨毯の難易度は低くすることができます。
二酸化炭素(CO₂)を添加する
水草の光合成には光とCO₂が必須条件になります。
そのため、強制的にCO₂を添加する方法を取るのが一般的です。
中にはCO₂を添加しなくても上手く育つ水草も多くありますが、水草絨毯を作れる水草たちの生育にはCO₂添加なしでは非常に難しくほとんど不可能です。
CO₂添加は方法によっては非常に高価になりますが、安く済ませる簡易的な添加方法もありますので、まずは簡易な発酵式CO₂から始めてみるのも良いですね。
フィルターとの相性
フィルターの中には水草に必要なCO₂との相性が悪いものが多いです。
基本的に水面に水しぶきが立つようなものや、水面が揺らされるようなフィルターはCO₂が空気中に放出されやすく、非効率になってしまいます。
水草育成におススメなフィルターは「外部式フィルター」と「水中にフィルター」になります。
CO₂がなるべく逃げないように、水流の環境に配慮する事も大切なのです。
エアレーション
生体を飼育していると必要になるのが、酸素補給のためのエアレーションですね。
しかしエアレーションは水中にせっかく溶け込んだCO₂を逃がしてしまうため、CO₂を添加しながらエアレーションをするのは非効率です。
水中に酸素を供給するには、光合成が止まる夜間にエアレーションをするようにすれば、昼にはCO₂添加で光合成促進、夜はエアレーションで酸素供給ができ、とても理にかなった水槽運営ができますよ。
グロッソスティグマ
グロッソスティグマは最もポピュラーな前景草で、水草絨毯を作る水草の中でも難易度は低いので初心者にも向いている水草です。
生長が早く、育成環境が整っていると毎日の生長が目に見て分かる事もあります。
栄養分は根から吸収しますので、底床にしっかりと肥料を埋め込んでから植える事が上手く育てるコツです。
また植える際には斜めに植える事で、縦に伸び上がるのを防ぐ効果があります。
また光量が足りない場合にも縦に伸びあがってしまうため、光量が足りているかの指標にされることもあるようですね。
リシア
リシアの一番のポイントは、葉にたくさんの気泡を付ける事です。
環境さえ整えばたくさんの気泡が付き、とても奇麗に見えますので水槽の景観がすごく良くなります。
しかしリシアはもともと底に植えるタイプの水草ではないというところが難しい理由なのです。
本来は浮草なので、そのままでは水面に浮いてしまいます。
リシアを沈めて育成するためには、リシアネットに入れて沈めたり、小石に巻き付けて沈めるなど色んな方法があります。
広い場所に広がらせたい時にはリシアネット、狭い場所に定着させる場合には小石に巻き付ける方法が良いでしょう。
コツとして、グロッソスティグマと一緒に植え込むという方法もあります。
こうする事でグロッソスティグマの根っこに絡まって浮き上がるのを防ぐことが出来る他、2種類の水草が混ざる事でより自然な水草絨毯を作る事もできます。
ウィローモス
ウィローモスは苔の一種ですので、通常は流木レイアウトなどで流木に巻き付けて使用されることが多い印象です。
しかし苔の絨毯というような使い方もできます。
何束かのウィローモスに重りを付けて、水槽に沈めてソイルに埋めておくと、ソイルから生えているかのような演出ができます。
またウィローモスの特徴として、強い光が無くても育成できる点です。
ちょっとした水槽のアクセントにも良いかもしれませんね。
ヘアーグラス
ヘアーグラスは名前の通り水中の芝生や草原のような演出ができる水草で、とても奇麗な絨毯を作る事ができます。
育成自体も簡単な方で、ランナーを伸ばしてどんどんと横に広がって行ってくれます。
ただ、葉に糸状の苔が付着しやすいという特徴がある水草でもあります。
苔対策ができるエビなどの生体を一緒に入れておくと苔対策ができますのでおススメです。
キューバパールグラス
グロッソスティグマのように底床を這うように横に広がって奇麗な絨毯を作る事ができます。
しかしキューバパールグラスの生育には、特に強めの光が必要になりますので、できれば水草育成用に開発された照明を利用する方が上手に育成できるでしょう。
もし光量が足りない照明の場合は、照明を1本、もしくは2本追加してあげると育成効果が上がります。
また硬度の高い水質を好む傾向にあり、硬度が足りないと枯れてしまう事があります。
石を多く入れたレイアウトにする事で水の硬度を高く保つことができます。
石組レイアウトをメインとする水槽を作るなら、キューバパールグラスがピッタリですね。
新規に水槽を立ち上げた際には水の硬度が下がる傾向にあるので、硬度の高い水を使って水換えを多めに行う事が上手く育てるコツになります。
まとめ
水草絨毯を作る前景草はたくさんありますが、それぞれ育成に必要な条件に個性があります。
水槽の環境に合わない場合はいくら頑張ってもなかなか水草絨毯を作る事ができずに失敗してしまいます。
それぞれの水草の特徴を把握して、より良い環境で育成してあげると成功率は高くなるはずです。