チョウと言えば、どんなチョウを思い浮かべますか?
日本国内はもちろん、世界各地にもたくさんのチョウが生息していますが、私たちにとって最も身近な存在と言えるチョウは「モンシロチョウ」ではないかと思います。
そんな一般的とも言えるモンシロチョウですが、どのような一生を生きているのかをご存知でしょうか。
また卵や幼虫を育てることによって、神秘的なチョウの羽化シーンを観察することができます。
今回はモンシロチョウの生態や卵、幼虫の育て方、飼い方について詳しく調べてまとめてみました。
目次
モンシロチョウとは?
モンシロチョウはチョウ目シロチョウ科に分類されているチョウの仲間で、日本ではごく一般的にあらゆるところで見る事ができる有名なチョウです。
生息地は北海道から九州、南西諸島まで幅広く分布しており、見られる時期も4月から11月にかけて、約半年間にも渡ってみる事ができます。
畑や野原、家の庭でも普通に見る事ができるため、虫取りでも良く捕まえられている昆虫でもありますね。
見た目の特徴は、全体的に白い色をしていて、翅の端がワンポイントで灰色になっているのが特徴的です。
またオスとメスでも微妙に違いがあり、オスはこの翅の端の灰色の部分の面積が少なく、メスはオスよりも広いという特徴があります。
チョウの雌雄を判別するのはなかなか難しいと思いますので、モンシロチョウを見かけたらこの辺りに注目してみると面白いかもしれませんね。
モンシロチョウの餌は?
モンシロチョウの成虫は花の蜜を吸って生きています。
口はストロー状になっており、通常この口吻はクルクルと丸まっているのですが、蜜を吸うときは。このストローのような口吻をまっすぐに伸ばして蜜を吸います。
一方で幼虫は一般にアオムシと呼ばれている、あのイモムシです。
畑のキャベツの葉などにくっついているのを見かける事が多いですね。
キャベツの葉にいるのは、モンシロチョウの幼虫がアブラナ科の植物を好むから、という理由があります。
他にもダイコンやハクサイなどもアブラナ科で、これらの葉を餌として好んで食べる習性があります。
畑のキャベツを食い荒らすので、農家の人たちにはどちらかというと嫌われ者のようで、害虫として駆除される対象になっているようですね。
モンシロチョウの卵
モンシロチョウの卵を見たことがありますか?
学校の理科の授業でも習うかと思いますが、実際にどんなものと言われれば、パッと思い浮かばないかもしれませんね。
モンシロチョウの卵は比較的簡単に見分ける事ができます。
キャベツなどの葉の裏側を見てみると、黄色い小さな卵を見つける事ができます。
形は米粒のような形をしていて、とても可愛らしい印象を受けます。
産み付けられたばかりの卵は白い色をしていますが、徐々に黄色に変わっていきます。
ただし、それがモンシロチョウの卵であるかはしっかりと見極める事が大事で、モンシロチョウの卵はポツポツと一個一個が離れた形で産み付けられているのが特徴です。
決して密集して産み付けられている事はありませんので、注意しましょう。
密集して産み付けられている場合、それは他の虫の卵か、オオモンシロチョウという別のチョウの可能性もあるので良く確認しましょう。
モンシロチョウの幼虫
モンシロチョウの幼虫は可愛いらしい緑色のアオムシです。
いろんなカラフルな模様があるイモムシというわけではなく、とてもシンプルな外見をしていますので、簡単に見分けられるかと思います。
卵から孵化した幼虫は、まずは自分の卵の殻を食べて、餌の葉を食べながら徐々に大きくなっていきます。
モンシロチョウの幼虫は、一生のうちで4回脱皮をして大きくなっていきます。
最終的にはおよそ3㎝近くの大きさにまで成長しますよ。
幼虫期間は一か月くらいですので、毎日観察していると徐々に大きくなっていくのを確認する事ができます。
モンシロチョウのさなぎ
孵化して一か月も経てば、さなぎになります。
さなぎはじっとしていて、決して動くことはありません。
モンシロチョウの一生のうちで、さなぎの期間は特に無防備でデリケートな時期だと言えます。
体のつくりや仕組みを、一気に作り変えないといけないわけですから大変です。
さなぎの期間はそっと見守るようにしてあげましょう。
モンシロチョウの羽化
羽化はとても神秘的で、美しいものがあります。
特に初めて見るという場合は、見入ってしまうかもしれませんね。
成虫になったモンシロチョウの寿命は、およそ2週間から3週間で意外と短いものです。
モンシロチョウの飼い方
モンシロチョウの飼い方をご紹介します。
夏休みの自由研究にもおススメですので、ぜひ挑戦してみましょう。
卵、幼虫の飼い方
卵を見つけたら、くっついている葉っぱごと容器に入れて管理しましょう。
用意するケースは昆虫飼育用のプラケースで問題ありません。
注意点としては、乾燥させ過ぎないようにすることですね。
卵は乾燥にとても弱く、乾燥すると孵化できない事もあります。
幼虫を飼育するためには、プラケースの底に新聞紙などを敷いておきます。
そこにキャベツの葉を入れてあげるだけで、簡単に飼育することができますよ。
この時にキャベツなどの餌になる葉っぱはしっかり洗ってあげましょう。
農薬などが付いていると幼虫によくありません。
また幼虫は糞をよくします。
糞を処理しないと、衛生的によくありませんので、糞が目立ってきたら新聞紙と餌を新しいものに交換するようにしてください。
また幼虫は水分を摂ります。
脱脂綿などに水を含ませて、一緒にケースに入れてあげましょう。
この飼い方で大体の場合成虫まで育てる事ができます。
ただし、100%というわけではなく、途中で残念ながら死んでしまうことも大いにあり得ます。
原因はさまざまですが、別の虫に寄生されていて、死んでしまうというパターンがあるのも覚えておきましょう。
有名な寄生虫に、アオムシサムライコマユバチという蜂がいます。
この蜂は幼虫の体に約80個もの卵を産み付け寄生させる、モンシロチョウにしてみれば恐ろしい天敵なのです。
この蜂が活発に活動するのは夏ですので、夏に採集したモンシロチョウの幼虫には、高確率で寄生していると言われています。
モンシロチョウの幼虫を採集するのであれば、夏よりも春先など気温が低いうちがおススメだと言えるでしょう。
モンシロチョウの成虫の飼育
モンシロチョウに限りませんが、チョウの成虫の飼育は幼虫ほど簡単ではありません。
飼育できないかと言われれば、決して不可能ではありませんが、餌が花の蜜ですので餌を与えるのは困難です。
羽化したら、そのまま逃がしてあげて、自由に飛び回れるようにしてあげるのが、モンシロチョウにとって良いと言えますすね。
まとめ
モンシロチョウの卵や幼虫の育て方はとても簡単で、プラケースに餌となる葉っぱを入れておくだけで飼育することができます。
ポイントは乾燥させ過ぎない事で、頻繁に霧吹きして乾燥させないようにしましょう。
また餌となる葉っぱは農薬がかかっていると危険ですので、しっかりと洗ってkら与えるようにしましょう。
また幼虫が小さいうちは、プラケースの穴から脱走してしまう可能性もありますので注意が必要です。
モンシロチョウが無事成虫になったら、飼育するのは困難です。
モンシロチョウの成虫の寿命はわずか二週間から三週間と短いですので、逃がしてあげるのが良いでしょう。