熱帯魚の飼育に慣れてきたら次は繁殖にチャレンジしたいと思う方は多いのではないでしょうか。
今回は必要なものから孵化したあとまで、繁殖方法や注意点などをまとめました。
目次
ネオンテトラの繁殖について
グッピーに次ぐ人気と知名度のネオンテトラですが、長い間人工飼育の成功例がなく繁殖が難しい熱帯魚として扱われてきました。
いまだに解明されていない事が多いためネオンテトラの繁殖には工夫が必要です。
手間がかかる分楽しさや工夫のし甲斐がありますが、もっと手軽に繁殖をさせたいという方は、ネオンテトラとは逆に「ミリオンフィッシュ」と呼ばれるほど繁殖力の強い「グッピー」がおすすめです。
グッピーに関しては、以下の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
ネオンテトラの繁殖に必要なもの
繁殖するために用意するものを挙げると「小型の水槽」「黒い紙」「水草」「エアレーション」です。
「小型の水槽」は産卵と稚魚育成用の水槽として使用します。
いつも飼育している水槽で産卵させてしまうと、卵が食べられてしまう可能性があるからです。
また、孵化した後も大人のネオンテトラたちにとっては、体の小さな稚魚はエサに見えてしまうため、ある程度成長するまではこの水槽で育てます。大きさは20~30cm程度のものがあれば十分でしょう。
「黒い紙」は水槽を暗くするために使用します。
ネオンテトラは夜に交配する習性があるため、オスとメスを入れた小型の水槽を黒い紙で暗くして雰囲気作りをしてあげましょう。
また、ネオンテトラは他の熱帯魚と違い、産卵期から稚魚の生長期間まで薄暗い環境を好みます。
稚魚に強い光を当ててしまうとショック死してしまう恐れがありますので、水槽の周りに貼った黒い紙はしばらくそのままにしておきましょう。
「水草」はピートモスやウィローモスがおすすめです。
水草には卵のベッドとなる産卵床の役割があります。
さらにピートモスには水質をネオンテトラが好む弱酸性にしてくれる働きもあります。
「エアレーション」は出力が弱いものを選びましょう。
通常のエアレーションを使用すると、稚魚にとっては泳げないぐらいの大きな水流を生み出してしまい、泳ぎ疲れて死んでしまう可能性があります。
とは言ってもどれを選べばいいか分からないというときは、店員さんに相談してみましょう。
ネオンテトラの繁殖の準備
必要な物を揃えたところで、いよいよ繁殖に移っていきます。
まずは元気なオスとメスを選び、繁殖用の水槽へ先にオスを入れ、次にメスを入れましょう。
ネオンテトラの繁殖が難しいところは受精率の低さもあります。
ネオンテトラは卵をばらまくように産卵し、その卵にオスが射精をします。
有精卵を増やすためにもメス1匹に対しオスは2~3匹程度水槽に入れてあげるとよいでしょう。
産卵が見られない場合はオスとメスの相性が悪い場合もあるため、オスを別の個体に換えて見ましょう。
また、水換えを行う事で産卵が促されることもあります。
ネオンテトラが孵化するまで、孵化した後
産卵が確認されたら親を普段飼育している本水槽に戻し、繁殖用の水槽の水温を30度に上げて卵の孵化を待ちます。
孵化まではだいたい半日~1日ほどです。
孵化した後はもともと持っているお腹の栄養を糧に育つので3日ぐらいはそのままで大丈夫です。
忘れがちですが、水槽の黒い紙はまだ取り付けたままにしておきます。
稚魚の餌は?ネオンテトラ誕生から1週間
孵化したての頃は水槽の底からあまり動かなかった稚魚も、次第に活発に泳ぎ回るようになります。
手間をかけた分その姿は、自分の子供や孫のように可愛らしく見えることでしょう。
孵化してから3,4日経つとエサが食べられるようになります。
しかし、人間の赤ちゃんがステーキやお寿司を食べられないように、ネオンテトラも孵化したての頃は親と同じエサは大きすぎて食べられません。
稚魚に合ったインフゾリア(ゾウリムシなどの微生物)や溶かした卵黄などをスポイトで与えましょう。
さらに孵化から1週間を経ち、泳ぐ力もだいぶていてきた頃からブライトシュリンプなどが食べられるようになります。
小さな稚魚たちがいる繁殖用の水槽では、ろ過フィルターを使うということが本水槽と比べるとあまりできません。
食べ残しが水を汚す原因になるため、エサの与えすぎにはくれぐれも注意しましょう。
稚魚を本水槽に移す!ネオンテトラ誕生から1か月
ある程度稚魚が成長して活発に泳いでいる姿を見ると一息つきたくなりますが、まだまだ安心はできません。
ネオンテトラは誕生してから2週間は生存率が安定しないからです。
こまめに観察し、水換えは稚魚のストレスにならない適度に、小さな汚れはスポイトで取るなどして、立派な大人のネオンテトラにするためにお世話しましょう。
およそ1ヶ月~1ヶ月半ほどで親と同じ本水槽に入れることができます。
ですが、見た目では魚の正確な大きさは分かりづらいため「まだ小さくて、大人に食べられてしまうかもしれない」という不安があれば「この大きさなら大丈夫!」と思えるぐらいまで繁殖用の水槽で育ててしまうのも一つの手です。
ネオンテトラの飼育方法
ネオンテトラの飼育方法に関しては、以下の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
まとめ
繁殖が難しいとされるネオンテトラですが、手間がかかる分、卵が孵化した瞬間や親と同じ本水槽に移す瞬間は、何とも言えない感動があります。
ネオンテトラの飼育に慣れてきたら、ぜひチャレンジしてみてください。