オポッサムという動物をご存知でしょうか。
あまり聞き慣れない名前かもしれませんね。
ネズミのような容姿をしていて、お腹にはカンガルーやコアラと同じように、子育て用の袋である「育児嚢(いくじのう)」を持っていることが特徴的です。
そんなオポッサムですが、近年では珍しい動物がペットとして飼われる時代になり、オポッサムもまたペットとして人気が出てきていると言います。
今回はオポッサムに関して、日本でも飼育できる種類や特徴、飼育方法などについて詳しくご紹介していきたいと思います。
目次
オポッサムとは?
オポッサムとは、有袋類オポッサム目オポッサム科の動物の総称であり、実際にはおよそ70種類のオポッサムが存在しており、有袋類の中では最も多い種類の多さになっています。
育児嚢を持っているのが特徴的ですので、別名「フクロネズミ」などと呼ばれています。
また育児嚢である程度育った子供は、親の背中に背負われて過ごすことが多くなります。
この事から、「コモリネズミ」とも呼ばれているようですね。
ネズミにそっくりですが、歯は齧歯目とは異なり、歯がびっしりと並んでいて、まるでイヌやネコのような歯並びになっています。
分布
有袋類と言えばカンガルーやコアラ、ワラビーなどオーストラリア特有の動物の印象がありますが、オポッサムは北アメリカと南アメリカに生息している唯一の有袋類です。
大きさ
オポッサムは種類がたくさん存在し、それぞれ大きさもピンキリなのです。
イヌやネコほどの大きさのものもいれば、手のひらサイズのものまで存在し、実に多種多様ですね。
死んだふりの名人
有名な事として、「死んだふり」をするのが上手な動物としても知られていますね。
これは天敵から身を守るために本能的に疑死行動を取ります。
他に疑死行動を取るので有名な動物では、タヌキ、ニホンアナグマ、リス、モルモット等がいますね。
それぞれ疑死に持続時間や方法などが異なっているのも面白く、また中には死んだふりだけでなく、本当に死んだかのような死臭のような悪臭を出すものまでいるというから驚きです。
ペットにしやすいオポッサム
オポッサムにもペットにしやすい種類のものがいます。
それが近年人気になっている「ピグミーオポッサム」と呼ばれているオポッサムです。
別名「ハイイロジネズミオポッサム」と呼ばれており、オポッサムの中では最小サイズで、15㎝くらいで体重も100g程度の大きさしかないのが特徴的です。
まるでリスのようなサイズですね。
また確かにオポッサムではありますが、育児嚢を持っておらず、子どもは親の背中にしがみつく様な形で過ごします。
寿命
寿命は自然界では4年くらいと言われていますが、飼育下では長生きで8年くらい生きることが出来ると言われています。
性格
ピグミーオポッサムは人間にも比較的懐きやすい性格をしており、人気がある理由の一つです。
ただし、もちろんすべての個体が懐きやすいかというと決してそのような事はなく、それぞれのピグミーオポッサムにも個体差があります。
懐くか懐かないかは、実際に接して飼育してみない事には分からないという事ですね。
また習性として「単独行動」をします。
ですので2匹以上の複数飼育は好ましくありません。
縄張り意識が強くケンカになってしまうので、飼育する際には注意しましょう。
販売店や値段など
ピグミーオポッサムはそれなりにペットとして流通しており、比較的入手はしやすい方だと思います。
エキゾチックアニマル専門店などを覗いてみると、案外あっさりと見つかるかもしれませんよ。
値段はピンキリでしょうが、おおよその相場を調べてみると、2万円~3万円くらいの間で購入する事ができるようですね。
以下の販売店などでも取り扱っていますので、気になる方は一度チェックしてみて下さいね。
ピグミーオポッサムの飼育方法
実際にピグミーオポッサムの飼育方法についてご紹介していきます。
飼育環境
ケージはリスなどに使用するタイプのものがあると良いです。
樹上生活しますので、ある程度の高さがないとストレスになってしまいます。
おススメはイージーホームというシリーズのケージです。
お世話がしやすい構造になっており、実用性は高いと思います。
巣箱
落ち着ける場所として巣箱は必要です。
小動物用の巣箱も良いですが、小鳥用の巣箱が意外と使えたりしますので、色々とチェックしてみて下さい。

ヒーター
飼育適正温度は25℃前後です。
あまりに気温が下がり過ぎると冬眠してしまいます。
飼育下における冬眠はリスクが高く、おススメできるものではありません。
できる限り冬眠させないようにヒーターを使用し、飼育温度を上げましょう。
ペットヒーターには色々とありますが、少々面倒でもサーモスタットを同時に併用すると、温度管理が簡単になります。
餌
ピグミーオポッサムは雑食性です。
昆虫や野菜、果物などなんでも食べますので、ハリネズミなどと同じような餌で代用可能です。
時々タンパク質補給のためにゆで卵やミルワームなどを与えると良いでしょう。
高タンパクゼリーなども使えますね。
また夜行性ですので、餌は活動前の夕方に一度与える方が良いですね。
水入れ
小動物の飼育の際には、水飲み場を用意するのではなく、給水ボトルなどを用意するのが一般的です。
しかしピグミーオポッサムの場合、リスやハムスター用の給水器では、口と鼻の形状のためか上手く飲むことが出来ないという情報もあるようです。
給水器よりも、深めの容器に水を入れて与える方が良いでしょう。
ただし、こぼしにくいようにある程度の重さがあるものを用意するか、ケージ自体に固定してしまえるような容器を用意するなどの工夫が必要ですね。
飼育する際の注意点
ピグミーオポッサムはペットとして人気が出始めてきたとはいえ、ペットとしてはまだまだマイナーな種類の動物です。
ですのでイヌやネコのように、病気になっても簡単に診察を受けらえるというわけではないですし、何かあった時の対処が難しいと言えます。
珍しいから飼ってみるのではなく、最後までしっかりと面倒を見てあげられる環境かどうかを良く考えてから飼育するようにしたいですね。
まとめ
オポッサムは北アメリカと南アメリカに生息している、オーストラリアに生息している有袋類以外では唯一の有袋類です。
日本国内でもピグミーオポッサムと呼ばれている種類の小型のオポッサムがペットとして人気が高くなっています。
入手もそれほど難しくなく、比較的容易に手に入りますし、飼育方法も小鳥を飼うくらいに容易ではあります。
しかし珍しいエキゾチックアニマルですので、病気になっても診療してくれる動物病院が少ない事や、その他の情報が少ない事もネックとなります。
ちょっと珍しい動物を飼ってみたいという人にはおススメできる胴鬱ですが、最後まで面倒を見てあげられるかよく考えてから飼育するようにしましょう。