レッドビーシュリンプ

アクアリウムを趣味にしている人にとって、一度は憧れるであろうレッドビーシュリンプの飼育。

赤と白の美しいストライプやバンド模様が特徴で、とても可愛いので人気が高い小型の淡水エビです。

しかしレッドビーシュリンプを飼育するのは結構難しく、飼い始めても知識が乏しいとすぐに全滅してしまうことも多々あります。

いったどうしてそんなにレッドビーシュリンプの飼育は難しいと言われているのでしょうか。

今回はそんなレッドビーシュリンプの飼育が難しいと言われている理由について詳しくご紹介していきます。

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水質の悪化、変化にとても敏感

小型のエビは特に水質の悪化や急激な変化に弱く、知らず知らずのうちに水質が悪化してしまい、エビが死ぬという事例は多いものです。

ミナミヌマエビも水質の悪化や水質の変化には敏感なのですが、レッドビーシュリンプはそれ以上に敏感で水質の悪化に弱いというデータがあります。

水質の悪化の要因となるのは主に餌を与えることによるアンモニアの蓄積です。アンモニアは毒性が非常に強く、レッドビーシュリンプの死ぬ直接的な要因になりやすいです。

アンモニアは水槽内の硝化細菌によって毒性の低い亜硝酸に変化し、亜硝酸はさらに毒性の低い硝酸塩へと変化します。
硝酸塩も毒性が薄いだけで毒性が全く無いわけではないので、除去する必要があります。

硝酸塩を除去する方法は基本的に水換えをするしかありません。
この際の水換えで、水槽の水質が急激に変化してしまうことでレッドビーシュリンプがショックを受けて死んでしまうこともよくあります。

立ち上げたばかりの水槽ではレッドビーシュリンプを飼育できない

水槽を立ち上げたらすぐにでもレッドビーシュリンプを入れてみたくなることでしょう。しかし立ち上げたばかりの水槽はまだ「立ち上げって」はいない状態です。

立ち上げたばかりの水槽にはアンモニアを分解してくれるバクテリアが十分に繁殖しておらず、その環境下でレッドビーシュリンプを飼育してしまうと、瞬く間に水質が悪化、エビが死ぬことになってしまいます。

バクテリアが十分に繁殖するまでの期間は水槽の立ち上げ方法によっても異なりますが、レッドビーシュリンプを飼育する場合は概ね3か月くらいと考えて良いかもしれません。

かなり長い期間を要しますね。普通であればこんなに長い期間水槽を放置しないと思います。ここにレッドビーシュリンプを死なせてしまう大きな落とし穴があるというわけです。

しかし、水槽を作ってそのまま放置していてもバクテリアは増えていきません。バクテリアを効率よく繁殖させるためには、市販のバクテリア剤を投入したり、パイロットフィッシュと呼ばれる、バクテリアを増やすために先行的に投入される魚を水槽に入れておかないといけません。

パイロットフィッシュをいれる理由は、アンモニアを出させるためです。
バクテリアの餌はアンモニアですから、アンモニアを排出する生態を何かしら入れておかなければバクテリアも増えないという理屈です。

パイロットフィッシュに向いている魚は水質の悪化にとても強い魚になります。代表的な魚はアカヒレという魚ですね。
立ち上げたばかりの水槽でもそう簡単に死なずに飼育することができるため、パイロットフィッシュとして導入されることが多い魚です。
可哀そうなんですが、死ににくいので死ぬよりはマシだという考え方なんでしょうね。

バクテリアを増やさなければ、水槽を立ち上げてから単に3か月経過してレッドビーシュリンプを投入しても意味がないということになりますね。

バクテリアの定着する場所を用意する

水槽に十分にバクテリアを増やすためには、バクテリアが定着できる場所がたくさんないといけません。
バクテリアの棲み処になるのはソイルやフィルターのウールマットやろ過材、なにも入っていないベアタンク水槽ではガラス面などになります。
ろ過材にも色々な種類のものがありますが、より多孔質なろ材の方がバクテリアが定着しやすいと言われています。

こうしたバクテリアの棲み処を確実にたくさん用意しなければ、水槽は立ち上げることはできません。

レッドビーシュリンプは高温に弱い

レッドビーシュリンプの飼育適正水温は22℃~27℃だと言われています。
この数値を見ても分かるように、低温には割と強いですが、高温には特に弱いと言えるでしょう。

冬であればヒーター管理で25℃前後をキープできますが、夏になれば水温が知らない間に30℃近くまで上昇し、レッドビーシュリンプが死んでしまうことがあるのです。

レッドビーシュリンプを飼育する際には、夏の高温対策も必要になるでしょう。
水槽管理において、高温対策は冬の寒さ対策よりも難しいと言われています。
水槽用のクーラーなどを上手く活用する、室温が上がりにくい涼しい場所に水槽を設置するなどの何らかの対処が必要になります。

ですので水槽には必ず水温計を見やすい位置に設置しておき、常に水温を確認できるようにしておくことが大切になります。

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水換えの際に死なせてしまう

レッドビーシュリンプは水質の悪化に弱いということは先ほど述べた通りです。これを解決するのが水換えなわけですが、水換えで死なせてしまう事例もかなり多いです。

水換えを一度にたくさん行うと水質が急激に変わってしまい、エビにとってダメージになってしまうことが多いです。対策としては、少しずつの水換えを多頻度に渡って行う方法です。

一般的に言われているのは全体の3分の1の水量の水を抜いて、減った分の水を足すという方法ですが、これでも死んでしまうことがあります。朝晩コップ一杯の水を水換えしている人もいるくらい、水換えには慎重になるべきです。

また水量以外にも、水温にも注意してください。水槽の水温と、足し水する水の水温を可能な限り合わせないと死んでしまうことがあります。

またエアチューブを利用したサイフォン方式で水を足すくらいゆっくりと水を入れないと死んでしまうこともあるくらい水質変化に敏感です。
ミナミヌマエビの飼育では考えられないくらいの慎重さでも丁度良いくらいです。

農薬に弱い

レッドビーシュリンプに限ったものではないですが、農薬にとても弱い特徴があります。
農薬にやられるパターンは2つくらいありますね。
ひとつは買ってきた水草に農薬が付いていた場合、もうひとつは餌として与えたほうれん草などに農薬が付いていた場合ですね。

水草を入れる際には、無農薬育成されたものかどうか、またエビ水槽に入れても大丈夫なのかを店員さんに十分確認してから購入すべきですね。

もしくは、「水草その前に」という農薬除去剤を使って事前に農薬除去をしてから導入するなど対策をしましょう。

酸欠に弱い

レッドビーシュリンプも生き物ですから当然呼吸をしています。水槽内の溶存酸素量が低くなると死にやすくなります。高水温ほど溶存酸素量が低くなりますので、夏の高温には注意が必要です。

酸欠になる要因にはCO2添加があります。水草も一緒に入れてCO2を添加する際には、照明を付けている間だけにし、夜間には必ずCO2添加をやめてエアレーションを行いましょう。

小型水槽で飼育は注意が必要

小型のエビの飼育で使用されやすいのが小型水槽です。しかし小型水槽では水量が少なく、その分水質が悪化しやすく、水温変化も起きやすい特徴があります。つまりレッドビーシュリンプにとっては最も死にやすい環境であると言えますね。

最初は小型水槽から始めてみようかな・・と思って小型水槽でレッドビーシュリンプを飼育し始めて失敗するのはこのためですね。

できれば大き目な水槽で水質変化に強い環境で、少なめの数のレッドビーシュリンプを飼育し始めると死なせるリスクは少なくて済むということです。

殺虫剤を使わない

意外かもしれませんが、レッドビーシュリンプは殺虫剤に弱いという報告があります。まさかエビに殺虫剤をかけることはないでしょうが、なんと隣の部屋で殺虫剤を使ったとしても水槽内のエビが死ぬくらい殺虫剤に弱いんです。

殺虫剤の成分が空気中を漂って、水槽内に溶け込んでエビに悪影響を与えるということです。レッドビーシュリンプは殺虫剤だけではなく、薬品にはとても弱いと思って良いでしょう。

まとめ

レッドビーシュリンプの飼育が難しいと言われている理由はたくさんあります。

まとめると以下の通りです。

  • 水質変化
  • 水温変化
  • 農薬
  • 酸欠
  • 殺虫剤

これらの要因が知らず知らずのうちに合わさって一気に死んでしまうということが多いようですね。
レッドビーシュリンプを初めて飼育する場合は、大き目な水槽で水換え頻度を多くし、温度を合わせた少量の水をゆっくりと水換えすることが水質維持に良いのですが、これが難しいんですよね。
水合わせに使われているエアチューブを使ったサイフォン方式は結構有効ですのでぜひ活用してください。

レッドビーシュリンプの飼育はとても難しい要因が多いですが、慣れてしまえば上手く飼育することができますし、繁殖をさせることも可能です。
レッドビーシュリンプの繁殖に成すれば、きっと胸を張ってアクアリウム上級者の仲間入りと言えそうですよね。