海の中で美しく咲き誇るかのように揺れ動く生き物、「イソギンチャク」。

映画【ファインディング・ニモ】でもカクレクマノミとの共生が描かれて話題になりましたよね。

そんなイソギンチャクですが、いったいどんな生き物なのでしょうか。

動物?

植物?

毒があるって本当!?

種類はどれくらいいる?

いろんな疑問があるかと思いますが、今回はそんなイソギンチャクのあれこれや、飼育方法に関しても詳しく調べてまとめてみました。

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イソギンチャクとは?

生物学上の分類では。刺胞動物門花虫綱六放サンゴ亜綱イソギンチャク目に属する動物の総称です。

なんだか難しい分類になっていて、ややこしいですが、つまりはイソギンチャクとは植物ではなく、動物だということになりますね。

また柔らかい無脊椎動物で、口の回りに神経毒がある触手をいくつも持っているのが特徴的です。

イソギンチャクは漢字で「磯巾着」と表記されます。

これは触手が伸びたり縮んだりして、口をキュっと閉じている姿が、まるで巾着のようだという事から名付けられました。

 

イソギンチャクの種類

イソギンチャクは世界中に無数・・というわけではないですが、とてもたくさんの種類が存在します。

およそ1000種類とも言われていますが、まだまだ未発見のものも多そうですよね。

そのうち日本国内で見ることができるイソギンチャクのうち確認されているものだけでも50種類が存在します。

まだ確認されていないであろうイソギンチャクも含めると、100種類以上のイソギンチャクがいるのではないかと言われています。

 

イソギンチャクの毒

イソギンチャクの触手には刺胞があり、ここから神経毒を出すことにより動物をしびれさせる効果があります。

これで獲物を捕らえて食べてしまうのですが、魚を獲物として捕らえることは稀であるようですね。

実際には主に海中のプランクトンを食べて、光合成をして生きているのです。

この毒に対して耐性をもつ魚も存在します。

それがあの有名なカクレクマノミですね。

カクレクマノミはイソギンチャクを隠れ家にして生活しているのですが、ただ隠れるだけではなくて、神経毒を持つイソギンチャクの中に逃げ込むことで、天敵から身を守っているのです。

クマノミに関しては、以下の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

またほとんどのイソギンチャクの持つ毒は弱いもので、人間に影響があるようなものではありません。

しかし日本周辺では、スナイソギンチャクやハタゴイソギンチャクが、強い毒を持つ事で知られていますし、沖縄以南ではウンバチイソギンチャクという種のイソギンチャクが生息しており、これは触手に触れると激しい痛みが生じ、火傷のような傷痕が残ります。

しかも急性心不全による死亡例も報告されていますので、注意が必要ですね。

 

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イソギンチャクの繁殖

イソギンチャクはオスとメスが存在します。

雌雄異体というやつですね。

体外受精を行う事で繁殖していきます。

しかし中には無性生殖を行うものも存在するようですね。

 

イソギンチャクは歩くことが出来る!?

イソギンチャクは植物ではありませんから、動物のようにちゃんと移動することができるんです。

これって意外と知られていない事かも知れませんね。

動くとは言っても、歩いたりするわけではないです(笑)

時速数センチメートルくらいしか動きませんから、ほとんど動かないという方が正しいのでしょうが(笑)

それでも幅数十センチの水槽などで飼育している場合、いつの間にかイソギンチャクのいた場所が変わっている!?

なんて事も普通に起こり得ますので、なかなか面白いですよ。

 

イソギンチャクの飼育方法

イソギンチャクはアクアリウムなどでも飼う事ができますので、インテリアなどでもおススメです。

しかし注意点も多く、何も知らないで飼い始めると、すぐに死なせてしまう事も多いようです。

ここではイソギンチャクの飼育方法についてご紹介していきます。

入手方法

アクアショップやペットショップなどでも普通に購入する事ができます。

またはネット通販などでも取り扱っていますので、チェックしてみて下さいね。

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値段も2,000円~7,000円と実に様々で、いろんなイソギンチャクを飼育することができます。

色とりどりで楽しいですよね。

しかし飼育しやすい種類と飼育が難しい種類がありますので、初めて飼育するのでしたら飼育が容易なイソギンチャクを選ぶのが良いでしょう。

代表的なのは「サンゴイソギンチャク」や「センジュイソギンチャク」ですね。

センジュイソギンチャクはカクレクマノミと特に相性が良い事で知られていますので、クマノミ水槽などに一緒に入れると見栄えがあって良いですね。

人工海水を用意する

イソギンチャクは海に生息していますので、飼育する場合は海水を用意しなければいけません。

おススメは人工海水の素を利用して海水を作る方法です。

便利な商品が色々と販売されていますので、ぜひ利用しましょう。

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水温とヒーター

水温は高めに維持してあげると元気に育ってくれます。

適温は20℃~28℃の間です。

34℃を超えるとさすがに弱ってしまいますので、水温調節の際にはサーモスタット付きのヒーターを導入しましょう。

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またイソギンチャクは移動するので、ヒーターのそばに移動して弱ってしまい、いつの間にか死んでいたなんて事故が結構起こります。

そういった事故を防ぐには、ヒーターの周りにブロックを用意します。

囲いのようなイメージで、ライブロックというサンゴの死んで固まったものを使うなど工夫しましょう。

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水流に弱い

イソギンチャクは比較的水流の弱い、安定した場所を好みますのであまりに強い水流が長く当たり続けると弱ってしまいます。

水流を弱めるか、より大きな水槽で飼育すると水流の影響を受けにくいですよ。

ポンプに注意

アクアリウムで欠かせないのがポンプですよね。

このポンプの吸い込み口には注意が必要です。

小さいイソギンチャクだと、そのまま吸い込まれてしまう事もありますし、大きなイソギンチャクでも体の一部が吸い込まれてそこから弱って死んでしまうケースもあると言います。

ポンプの吸い込み口周りをライブロックで覆ってしまうなどの工夫をするだけで、こういった事故を防ぐことができます。

魚やエビやカニ、貝類などを食べますが、実際には光合成さえしっかりできていればエネルギーを摂取でき、給餌をしなくても飼育することができます。

むしろ餌を無理やり与えると、かえってストレスになって弱ってしまう事もあるらしいので注意しましょう。

痩せ切ってしまった場合などには、一週間に一度くらいの頻度で小エビやアサリなどを細かく刻んで与えても良いですね。

 

まとめ

イソギンチャクはかなりデリケートな動物で、飼育することはできても、特徴や注意点を良く知らないと様々な事故ですぐに死なせてしまう事が多いです。

水流やヒーターなどの火傷によっても弱ってしまいますし、餌の与えすぎや水温の上昇などによっても弱ってしまい、そのまま死んでしまう事も少なくありません。

アクアリウムに導入すれば奇麗な姿で楽しませてくれるイソギンチャク。

飼育が簡単なイソギンチャクから飼育に挑戦してみてはいかがでしょうか。