セミと言えば夏ですよね。
セミの鳴き声を聞かなければ、夏になったという気がしないのは私だけでしょうか(笑)
そんなセミですが、たくさんの鳴き声を聞く事ができる通り、日本国内においてもセミの種類も様々なのです。
そこで今回は、日本国内で見る事ができるセミの種類について、ご紹介します。
セミはカメムシの仲間!?
セミってなんの仲間だかご存知ですか?
実はセミは大きい分類で見ると、なんとカメムシ目という分類に分けられており、カメムシの仲間なのです。
もちろんカメムシとは似ても似つかないですが。
その他にもカメムシの仲間に分類されている昆虫はたくさんいます。
代表的な物に、タガメやアブラムシ、アメンボなどがいますね。
ちなみに全世界でセミの仲間はなんと1600種類も存在しているようです。
その中でも日本国内で見られるセミは30種類くらいなのですが、その中で主な種類をご紹介しようと思います。
アブラゼミ
私の周りの身近なセミと言われれば、この「アブラゼミ」で、セミが鳴いていると言えば、ほぼ間違いなくアブラゼミの鳴き声でした。
55mm~60㎜くらいで、セミの中では大型の種類になります。
褐色の翅が最大の特徴で、透明でない翅を持つセミは珍しいらしいですね。
それほどメジャーなセミなのですが、近年ではその数が減少しているとも言われているようで、アブラゼミが繁殖できる環境が次第に変化してきているのが要因なのでしょうか。
鳴き声は「ジジジジジジ・・」と油で何かを揚げている時のような音を出します。
アブラゼミの名前は、この油で揚げる音に由来していると言われています。
日本では北海道から九州まで分布し、南西諸島には近縁種のリュウキュウアブラゼミが生息しています。
クマゼミ
大型のセミで、60㎜~70㎜くらいの大きさがあり、アブラゼミに比べると頭部の幅もかなり広いのが特徴的です。
鳴き声は「シャワシャワシャワ・・」とけたたましい鳴き声が特徴的です。
オスの腹部にはオレンジ色の大きな鳴き袋があるので、本種かどうかは腹部を見れば良く分かりますね。
子どもの頃は虫取りでセミを捕まえた際、翅が透明なクマゼミはレアな存在で、捕まえると喜んでた記憶があります。
しかし近年ではクマゼミが次第に数を増やし、街中ではほぼクマゼミしか見かけないようにもなりました。
自然が破壊され、環境が悪化しても繁殖することができる力強さを持っているために繁殖できているとも言われています。
温暖な地域にしか生息しておらず、西日本以南の地域にしか見る事ができないセミでもあります。
温暖化の影響で生息地が年々北上している、とも言われていますね。
近縁種に石垣島と西表島に生息する、ヤエヤマクマゼミがいます。
ニイニイゼミ
小型のセミで、20㎜~24㎜くらいしかなく、アブラゼミに比べるとずいぶん小柄なことが分かりますね。
比較的早い時期に鳴き始めるセミで、6月の梅雨の間から7月くらいまで鳴く特徴があります。
体の色が灰褐色なので、木の幹の色に同化しており、小型のセミという事もあり、見つけるのが難しい場合があります。
鳴き声は「チー」と単調な鳴き声で鳴きます。
分布は幅広く、北海道から沖縄本島まで生息しています。
ツクツクボウシ
30㎜くらいの小型のセミで、体の細さと透明な翅が特徴的です。
晩夏から初秋にかけて発生し、鳴き声がその名の通り、「ツクツクオーシ」と特徴的な鳴き声で鳴きます。
分布は北海道からトカラ列島まで生息していますが、温暖kの影響もあってか、近年では北日本での数の増加が報告されています。
スリムな体型もあってか、他のセミに比べて素早く動く他、警戒心も強いため、捕まえるのはなかなか難しいセミでもあります。
ヒグラシ
カナカナセミとも呼ばれているセミで、25㎜~38㎜くらいの大きさがあります。
北海道から奄美大島まで生息しているセミで、イメージでは俳句の季語にもなっている通り、晩夏から初秋に発生すると思われがちですが、実際にはニイニイゼミ同様に梅雨の初夏から早い段階で発生し鳴き始めるセミのようですね。
鳴き声は「カナカナカナ・・」と大人しい鳴き声で鳴き、気温が下がってきた夕暮れ時に鳴くことが多いです。
ヒグラシという名前もこのことから名付けられたとされていますね。
ミンミンゼミ
35㎜くらいのセミで、その名の通り「ミーンミンミンミンミンミー・・」と鳴く事が特徴です。
セミがミンミン鳴く、というのはこのミンミンゼミの事からきているのでしょうね。
セミの中でも暑さに弱い種類のセミだと言われており、海道南部から九州、対馬の涼しい環境を好んで生息しています。
面白い話に「クマゼミとの鳴き声の共通点」というものがあり、ミンミンゼミとクマゼミの鳴き声のベースとなる音は共通している、というものです。
もちろん実際にミンミンゼミとクマゼミの鳴き声を聞くと全く違うのですが、ゆっくり再生するとミンミンゼミに、早く再生するとクマゼミの鳴き声になる、と言われています。
このことから実際にミンミンゼミとクマゼミは「棲み分け」をしていると言われており、クマゼミが姿を見せなくなった頃にミンミンゼミが鳴き始める、というケースがあるようですね。
特に広島県東広島市の市街地では、特に棲み分けが明確化されているという情報もあります。
もしかしたらセミたちには、お互いの鳴き声がほぼ同じように聞こえている、という事なのでしょうかね。
エゾゼミ
60㎜~65㎜くらいの大型のセミで、エゾ(蝦夷)という名前でありながら、北海道にのみ生息しているセミ、というわけではないようです。
分布は北海道、本州、四国、九州、佐渡島、隠岐諸島に生息しています。
生物学上ではクマゼミに近い近縁種であると言われていますね。
鳴き声は「ギーーーーー・・・」と単調な鳴き方をし、また鈍感なセミだとも言われており、そっと捕まえてもそのまま手の上で鳴き続けることもあるくらいです。
本当でしょうか・・(笑)
目が燃えるように赤く、翅や体の模様がカッコ良く、ビジュアル的には好みのセミだったりします。
コエゾゼミ
50㎜~55㎜くらいの大きさで、やや小型なセミです。
コエゾゼミというくらいなので、エゾゼミと同系統のセミと思われがちですが、実は全く違うタイプのセミに分類されるようです。
エゾゼミが中国大陸から日本に渡ってきたセミなのに対し、コエゾゼミはサハリン方面から渡ってきたという違いがあります。
分布は北海道、広島県までの本州、四国、佐渡島、サハリン、南千島になります。
鳴き声は「ジー・・」と単調な鳴き方をします。
ハルゼミ
25㎜~30㎜くらいの大きさで、ヒグラシによく似ていますが、ハルゼミの方がやや小ぶりで黒っぽいのが特徴的です。
分布は本州、四国、九州で、その名の通り春先から初夏にかけて(4月~6月)発生するセミです。
広い規模の松林を好んで生息し、松林から出る事はないようですね。
また季語として使用される、「松蝉」はハルゼミの事を指すそうです。
鳴き声が特徴的で、表現がしづらい「ジーッ、ジーッ」という大きな声で鳴きます。
チッチゼミ
25㎜~30㎜くらいの小型のセミで、ニイニイゼミと並んで日本国内では最小のセミと言われています。
分布は北海道、本州、四国、九州で、マツやスギなどの針葉樹を好むため、ハルゼミ同様に松林に多く生息しています。
鳴き声は「ジッジッジッジッジッ・・」と単調に鳴きます。
発生はかなり遅い時期になり、7月中旬から10月下旬と他のセミに比べてずいぶん遅い事が分かりますね。
小さいので見つけるのは相当難しそうですね。
まとめ
ここでご紹介したセミたちは、日本で見られるセミの中でも代表的なものたちで、実際にはもっと多くのセミが生息していると言われています。
一口にセミと言ってもこれだけたくさんの種類のセミがおり、気候や環境によって生息しているセミは実に様々です。
こういったセミの特徴を知ったうえで、良く耳を澄まして聞いてみると、セミの鳴き声も案外面白いかもしれませんね。
なお、セミに関しては、以下の記事でも詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。