ソイル

アクアリウムをやろう!と思ったら、必ず出会う事になるであろう「ソイル」。

熱帯魚飼育に、水草の育成にと幅広くの用途で活躍し、アクアリストの間でも非常に人気が高い底床材です。

近年では様々なタイプのソイルが販売されていて、色や特徴までいろいろあってどれを選んだらいいのか迷ってしまうほど。

そんな万能で人気の高いソイルですが、実は扱いが以外にも難しく、初心者が手を出して水槽立ち上げに失敗してしまうという報告もあるのです。

ソイルの難しいポイントとは一体何なのでしょうか。

また、扱う際の注意点も併せて詳しくご紹介していきたいと思います。

 

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ソイルは栄養をたくさん含んでいる

ソイルにも様々な種類があり、「吸着系ソイル」や「栄養系ソイル」など特徴が異なります。

特に栄養系ソイルの場合は、水草に必要な栄養をたっぷり含んでいるのが特長のソイルです。

もちろん吸着系ソイルにも栄養は含まれていて、水槽に入れると少しずつソイル内の栄養分が水に溶けだします

これが水草が成長できる手助けにもなっているのですが、ここに落とし穴があります。

 

ソイル内の栄養は特に使い始めにはたくさん水に溶けだします。

栄養は植えた水草が吸収して生長に使用されますが、水草の量が少ないと水中に溶けだした養分を吸収しきれずに余ってしまいます。

余った栄養分はどうなるのかと言うと、苔の発生のための養分になってしまうのです。

このまま放置していれば、たちまち水槽内は苔が大発生してしまい、景観を損ねるばかりか水質を悪化させてしまうのです。

初心者であれば、大体の方が少ない水草を植えて、その成長を楽しみたいという場合が多いでしょう。

しかしこの少ない水草が思わぬ形で失敗の引き金になってしまっていたのです。

 

では対策はどうするのかと言うと、水中に溶けだした余分な養分を水槽外に出してやれば良いのです。

つまり水換えですね。

水槽立ち上げたばかりで水草もバクテリアも少ない頃は、極端に言えば毎日のように水換えを行ってもいいくらいです。

頻繁な水換えが養分の排出と苔の発生の抑制に繋がります。

 

二酸化炭素(CO₂)の添加をする

水草は太陽光や照明の光を浴びて光合成を行いながら生長します。

水草を育てようと一生懸命に照明を当てている人がたくさんいますが、実際にはこれだけでは水草は育ちません。

水草が光合成を行うには光と「二酸化炭素(CO₂)」が必要になります。

光はたくさん浴びれど、二酸化炭素が少ないので満足に光合成が行えずに生長が遅くなり、水草もなかなか増えずに水中の養分も使い切れないとう現象が起こります。

二酸化炭素を水槽内に供給する便利な装置が販売されていますので、そちらを使ってみても良いのではないでしょうか。

二酸化炭素添加装置を使えば水草の飛躍的な生長促進が期待できますが、値段が高いのが難点です。

今後もソイルを使いたいし水草をしっかりと育てたい、という人はこの際に導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

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水草を最初からたくさん植える

最初は少ない水草を植えて後の生長を楽しむのもアクアリウムの醍醐味でもあります。

しかし上記の理由から、水槽立ち上げ時には水草はたくさん入れておいた方が後の失敗を防ぐことができます。

最初のコストが高くなってしまいますし、増やしていく楽しみが薄れてしまいますので初心者の方にはちょっと敬遠されるかもしれませんね。

 

生体をいきなり入れない

早く魚を入れて泳ぐ姿を見てみたい!

そういう気持ちは良く分かります。

しかしここはグッとこらえて生体の導入は少し待ちましょう。

水草がまだ本調子じゃないうちにたくさんの生体を入れてしまうと、生体が排出する糞なども苔の養分となってしまいます。

また導入直後のソイルからは、ソイルの種類にもよると思いますが、生体への悪影響が出るアンモニアや亜硝酸が出ることがあります。

これらを無害な硝酸塩へと分解してくれるのがバクテリアなのですが、立ち上げ直後の水槽には満足にバクテリアがいません。

生物ろ過が働くほどの量のバクテリアが既に定着していれば問題ありませんが、水槽立ち上げ時には排泄物を分解できる力が水槽内に無い状態という事になります。

最初は生体の導入を控えて水草とバクテリアが本調子になってくるのをひたすら待つ必要があるという事ですね。

場合によれば2か月ほどの時間がかかる事もあります。

さすがに待てませんので、大体の人はバクテリア添加剤をいれて最初からバクテリアを増やせるようにしていますね。

立ち上げから少し経てば、パイロットフィッシュとして魚かエビを数匹入れて、水槽内の環境を生体の増加に慣れさせていきましょう。

 

ソイルは崩れやすいし寿命がある

ソイルは砂利のように半永久的に使い続けられるものではありません。

ソイルにも寿命があり、だいたい1年くらいで吸着能力や養分が無くなってしまい、水草の育成が満足に行えなくなってしまいます。

またソイルは土を固めたものですので、指で潰すと簡単に壊れるくらいもろいとも言えます。

レイアウトをあーでもない、こーでもないとイジっているうちに、ソイルが壊れ始めてしまい、潰れたソイルからは養分がたくさん流れ出してしまいます。

こうなると苔の大発生の要因となりますので、できればレイアウトはサッと行い、なるべくレイアウトの配置換えは行わないようにするのがソイルを長持ちさせる秘訣になります。

レイアウトをする際には、初めに念入りに水草や石、流木などの配置を吟味したうえで行う方が良いでしょう。

 

なお、土をガチガチに焼き固めたものでセラミックソイルというものがあります。

こちらは型崩れすることがなく、使用期限もありませんので長く使用することができます。

値段は少々高い傾向にありますが、一度買えば長く使えますので結構おススメですよ。

 

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まとめ

ソイルは水草の育成にも優れており、人気が高い底床材ですが、扱いが難しく注意すべき点がいくつもあります。

まとめると以下の通りです。

  • 崩れやすいので、レイアウトをいじりすぎない
  • 寿命があるので時期が来たら新しいソイルに入れ替える必要がある
  • 導入当初は養分がたくさん出るため、頻繁に水換えを行うか水草をたくさん入れる
  • 水草の生長促進のために二酸化炭素添加装置を使う
  • 導入当初はアンモニアや亜硝酸などの有害物質が出るので、それを分解できるバクテリアが増えるまで生態導入は控える

注意点をしっかりと抑えておけば、ソイルは生体飼育や水草の育成にも大変優れた底床材となりますので、知識を身に付けて楽しいアクアリウムライフを楽しみましょう!