赤ちゃんを運んでくるという迷信でも有名な鳥である、「コウノトリ」。

産科医をテーマにしたドラマでも、綾野剛さん主演で「コウノドリ」という作品が話題になりましたよね。

その題名からも赤ちゃんとコウノトリの関係を意識して作られていることが伺えます。

そんなコウノトリですが、絶滅危惧種であるということをご存知ですか?

日本には「トキ」という鳥が既に絶滅してしまっていますが、コウノトリもまたそんな絶滅の危機に瀕していると言われています。

今回はコウノトリの特徴や生態について、詳しくご紹介していきたいと思います。

 

スポンサードリンク

 

コウノトリとは?

コウノトリとは、コウノトリ目コウノトリ科コウノトリ属に分類されている鳥の総称です。

ちなみにコウノトリ目には、フラミンゴ科、トキ科、ハシビロコウ科、サギ科、シュモクドリ科が存在しています。

大きな分類で見れば、サギやフラミンゴもコウノトリの仲間という事でしょうか。

コウノドリ科コウノトリ属にもたくさんの種類のコウノトリの仲間が存在しており、エンビコウ、シュバシコウ、ニホンコウノトリ、ナベコウ、アオハシコウなどがいます。

コウノトリという名前は元々は中国語が由来となっており、「鸛(カン)」と呼ばれっていました。

これが日本において「コウ」と発音されるようになり、現在のコウノトリと呼ばれるようになったという事です。

 

大きさ

体長は110㎝~125㎝の大きさがあり、翼を広げるとなんと200㎝にも達する大型の水鳥です。

同じコウノトリ目のサギとよく似た姿形をしていますが、サギよりも遥かに大きな体が特徴的です。

 

分布

韓国、中華人民共和国、中華民国、北朝鮮、日本、ロシアなどアジアに分布しており、冬になるとより南の方に南下して越冬する、渡り鳥ですね。

日本には冬に飛来することが稀にあるようで、日本では冬鳥の扱いになっています。

 

寿命

コウノトリの寿命は大変長く、なんと35年~50年くらいだと言われています。

・・にしても長いですよね。

この鳥、自分よりも年上なのか!

なんていう場合もあるわけですから、不思議ですよね。

 

食性

肉食性であり、昆虫や小動物、魚、両生類など幅広く色んな獲物を捕らえて食べています。

食べる量も結構多くて、一日500g~600gの量の餌を平らげると言われています。

性格

とても臆病で警戒心が強い鳥だと言われています。

同じコウノトリに対しても警戒心が強いとされていますので、相当なものでしょう。

人間でいうところの「極度な人見知り」のようなものでしょうか(笑)

しかし必ず人間に対して警戒心が強いとも言えないようで、中には人間に懐くような個体もいるのだとか。

 

 

スポンサードリンク

 

繁殖

繁殖は年に一回で、繁殖期は1月~4月の間です。

12月頃には既に巣作りを始めるようで、2月~4月には次々と産卵し始めます。

3個~5個程度の卵を産みますが、コウノトリの親鳥はとても子育て熱心です。

オスもメスも交互に卵を温め、孵化させます。

その後もオスとメス一緒に子育てを行い、子供が一人前になって巣立ちをするまで続けます。

 

赤ちゃんを運んでくる?

ドラマ「コウノドリ」もそうですが、ディズニー映画の「ダンボ」でも冒頭でコウノトリが赤ちゃんを運んでくる場面が描かれています。

たしかにこういった迷信はあるようですね。

しかしこれはヨーロッパでの言い伝えによるもので、もともと日本にはこういった言い伝えはありません。

ヨーロッパでは、「赤ちゃんはコウノトリがクチバシで運んでくる」であったり、「コウノトリが住み着いた家の運気が上昇する」などといった縁起の良い迷信があったようです。

まるで日本でいうところの「ツバメの巣」のようですね。

ツバメに関しては、以下の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

 

 

しかしヨーロッパには日本でいうところのコウノトリは生息していません。

ヨーロッパの言い伝えのコウノトリは、同じコウノトリ科に属している鳥である「シュバシコウ」だと言われています。

 

絶滅危惧種!?

コウノトリは江戸時代には日本各地で普通に見ることができた普遍的な鳥でした。

しかし乱獲や農薬散布、棲み処の減少などによって急激に数を減らしてしまい、日本国内においては1971年に生き残っていた個体を最後に、日本で繁殖していた野生個体は絶滅してしまいました。

しかし冬になると、中国から越冬するために飛来するコウノトリを稀に見ることができるようですね。

ただこれでは日本に生息している、という事にはなりませんが。

現在東アジアに生息しているコウノトリの数は、わずか2,000羽~3,000羽と少なく、絶滅が懸念されています。

世界中でも絶滅危惧種として扱われており、国を挙げて保護活動の対象になっている鳥でもあるのです。

現在では各地で保護活動が盛んに行われており、人工的に繁殖させる取り組みなども行われていますが、コウノトリの繁殖はとても難しいのだそうです。

なんと1羽のコウノトリが産んだ卵が100個あったらしいのですが、このうち育った子供はわずか1羽に過ぎなかったと言われています。

そう考えると簡単に数が減ってしまうのも分かる気がしますよね。

徐々に繁殖にも成功してきているとは言われていますが、この分だと野生のコウノトリが日本で復活するのは当分先になりそうですね。

 

コウノトリはペットにできる?

出来るわけがないですよね(笑)

国によって保護されている希少動物なのですから。

 

まとめ

コウノトリは東アジア中心に生息している、現在では希少価値の高い水鳥です。

寿命は長く、50年近く生きることが出来ると言われています。

日本国内で繁殖している野生個体は1971年を最後に既に絶滅してしまっていますが、野生のコウノトリを復活させようという取り組みが盛んに行われており、難しいとされている繁殖にも成功しているという朗報もあります。

絶滅一歩手前まで来てしまったコウノトリ。

日本でもう一度、たくさんのコウノトリを見られる日が来ることを願うばかりです。