ツバメ

「日本に来る渡り鳥といったら何でしょうか?」と質問したら、「ツバメ」と答える人は多いと思います。

ツバメやツバメの巣にまつわる言い伝えは多く、それだけ親しみのあるツバメですが、その一方で糞や雛の鳴き声がうるさいなどの問題もあります。

ツバメの巣は勝手に撤去しても大丈夫なのでしょうか?

ツバメの巣にまつわる縁起話や巣の撤去について、さらにはツバメにまつわるあれこれについて見ていきます。

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ツバメの巣にまつわる縁起話とは?

古くからツバメの巣が出来ると「縁起が良い」、「その家は栄える」と言われています。

ツバメの巣にまつわる縁起話には、以下のようなものがあります。

 


・火事にならない
・商売繁盛
・金運アップ
・子孫繁栄
・無病息災
・同じ場所に3回巣を作ると億万長者になる

 

何やらおめでたいことばかりですね。

ツバメは渡り鳥の仲間ですので、繁殖や冬を越すために移動を繰り返しています。

この移動は過酷なため、当然途中で命を落としてしまうツバメもいます。

そんなツバメが巣作りをし、子育てをしているくらいですから、ツバメが巣を作る家は安全で安泰だろうと考えられてきました。

また、ツバメは害虫を食べてくれる「益鳥」としての顔があることからも、古くから人々に親しまれて良いイメージを持たれるようになったのではないでしょうか。

 

ツバメの巣は壊すべきではない?

雛が孵化し、親鳥が必死に子育てをする姿は感動的です。

しかも、ツバメの巣縁起が良いとされており、まさに家の守り神のような扱いを受けてきました。

その反面、ツバメの巣は、生まれた雛の鳴き声がうるさかったり、ツバメが出す糞などの問題を抱えている場合があり、出来るなら撤去してしまいたい人もいると思います。

特に新築であれば、なおさら糞の問題は困りますよね。

結論から言うと、ツバメの巣を自分で撤去することは可能です。

ただし、撤去には条件があります。

それは、「巣の中に雛や卵がないこと」です。

鳥獣保護法第8条には以下のような条文があります。

「鳥獣および鳥類の卵は、捕獲等又は採取等してはならない。」

つまり、巣作りが行われて卵や雛が既に存在している巣を勝手に撤去すると、法律違反になってしまう可能性があるのです。

ただし、あまりにも被害が甚大である場合は都道府県知事の許可を得て撤去が可能です。

一度相談してみると良いでしょう。

 

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ツバメの巣を撤去する場合の方法とは?

前述した通り、巣の中に卵や雛がなければ撤去出来ます。

素人が撤去する場合、ほうきや高枝切り鋏などでつついて地面に叩き付ける方法が一般的かと思います。

しかし、撤去する際に乾燥した巣や糞などの粉が舞い散ってしまったり、落とした巣をそのまま放置してダニや悪臭が生じたりと、場合によっては健康被害が生じてしまうこともあり、注意が必要です。

素人が下手に手を出すよりも、やはり専門の業者に頼んだ方が良いでしょう。

ちなみに、ツバメの巣を撤去してから悪いことがあったり金運が下がったしたなどに見舞われた人も中にはいます。

偶然である可能性も捨てきれませんが、ツバメの巣と一緒に運もどこかに行ってしまったのでしょうか…。

 

ツバメが巣を作る場所や条件とは?

そもそも、ツバメはタカやワシなどといった、食物連鎖の上位に位置している鳥ではありません。

故に天敵が多く、猫やカラス、ヘビなどに食べられてしまうこともあります。

そんな天敵と戦う術を持たないツバメが巣を作る場所を決めるポイントは、ずばり「外敵から襲われる危険性が少ないところ」です。

確かに、ツバメが巣を作るのは民家の軒先や納屋などの天敵が入りにくい場所・入ってきても人間が追い払ってくれる場所が多いですよね。

ツバメは3つから7つの卵を生みますが、そのすべてが無事に巣立ちする可能性は非常に低く、少しでも巣立つ雛を多くするためにこのような場所に巣を作るのでしょう。

あと、民家にはツバメの餌となる虫が寄ってきます。

その中には稲を食べてしまう厄介な「ウンカ」などの害虫もおり、餌に困る心配も少ないです。

ツバメは餌を食べているだけですが、結果として人間にとって害になる虫を食べてくれるために人間からも歓迎され、縁起が良いとされたのでしょう。

ツバメと人間は「持ちつ持たれつ」の関係であったと言えます。

 

ツバメが巣を作る時期は?

そもそも、ツバメはいつ・どこから来るのでしょうか。

ツバメは渡り鳥の中の「夏鳥」に分類される鳥です。

夏鳥は春に日本にやって来て、秋になるともともといた場所に帰っていく習性があります。

ツバメの場合は、東南アジアなどから日本にやって来てきます。

ですので、ツバメが日本にやって来るのは春ということになり、巣作りを始めるのも春です。

その後、それぞれパートナーを見つけ、雛を育てるために巣作りを始めます。

巣作りは2週間から3週間ほどかかり、夫婦で協力して泥や枯れ草を集め、巣作りをします。

なお、以前に作った巣が残っている場合には新しく巣作りをする必要がないため、補修を行って再利用します。

 

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ツバメの帰巣本能について

言われてみれば、毎年毎年ツバメが巣を作っている場所がありますよね。

これは偶然でしょうか。

いいえ、そんなことはありません。

ツバメには「帰巣本能」という「産卵などに使ったすみかを離れてもいずれその場所に戻ってくる能力」を持っています。

ですので、ツバメが前年に作った巣にまた帰ってくることは決して珍しいことではありません。

何故このような能力を持っているのでしょうか。

帰巣本能についてはまだ分かっていない部分も多いのですが、ツバメなどの帰巣本能がある生き物の体内には、「コンパスのように巣への方向を指し示すシステム」が備わっているのではないかと考えられています。

ちなみに、帰巣本能はメスよりオスの方が高く、オスはメスより先に到着してメスの到着を今か今かと待っています。

無事に再会出来ればまた夫婦となり巣作り・子育てを開始しますが、何らかの事情で再会出来ないときは別のツバメと夫婦になります。

 

ツバメの巣の糞対策や上手な付き合いとは?

ツバメの巣の中でツバメの雛が育つのを間近に感じられる反面、困るのがツバメの糞です。

糞以外にも、親鳥が雛に与えるために捕まえてきた虫などの残骸が散らばっているのは良い気分はしないですよね。

既に巣の中に卵や雛がいる場合は壊すわけにいかないので、巣の下に段ボールなどを敷いて少しでも床に糞が付かないようにするか、こまめにほうきで掃いたり水を流して掃除するくらいしかありません。

今年の撤去は諦めて、共存の道を選ぶしかないでしょう。

ですが、毎回の掃除は大変ですし、毎日糞が付くのは衛生面から考えたら心配になる面もあります。

見た目だって良くありませんよね。

糞の被害に困り果てているという人は、ツバメには可哀想ですが、巣が出来ないように予防するしかありません。

ツバメの天敵であるヘビのおもちゃや反射してきらきら光ってツバメが嫌がるアルミホイルやCDなどを巣が出来そうなところに吊るしたり、巣が作られ始めても途中であればホースで水をかけたりして壊すことが出来ます。

 

ツバメの生態や種類

ツバメの種類や生態に関しては、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。

 

 

 

まとめ

ツバメの巣の巣についての縁起話や巣の撤去、ツバメにまつわるあれこれについて見てきました。

ツバメにはそのつもりはなかったかも知れませんが、害虫を食べてくれることにより結果的に人間にとってありがたい存在であると見なされてきました。

故にたくさんの縁起話が生まれたのではないでしょうか。

ありがたい存在であると見なされている反面、糞などの被害があるため、厄介者扱いされてしまうのもまた事実です。

一生懸命子育てするツバメを出来れば見守ってあげたいですが、どうしても我慢ならない場合は、撤去も視野に入れて考えてみましょう。

その場合、自分で撤去するより専門の業者に頼むのがオススメです。

一度相談してみると良いでしょう。