水流

水流は水槽の環境をよくするためには、とても重要な要素になるという事をご存知ですか。

水流がある場所とない場所では、水草の生長にも違った影響が出てくるのです。

水流の流れが悪い場所では、生体の調子が悪くなったり、水草が上手く育たなかったりするんです。

しかし正しい水流を作るには、どのような水流が良いのかを知らなければいけません。

今回は水槽における水流の作り方や重要性について詳しくご紹介していきたいと思います。

 

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水流は酸素や二酸化炭素を運ぶ

水流の持つ大きな役割の一つは、酸素や二酸化炭素を水槽の隅々まで運んでくれる事にあります。

生体は酸素を必要としますし、水草は光合成のために二酸化炭素を必要とします。

二酸化炭素(CO₂)を添加している場合には、拡散器の周辺の水草は効率よく二酸化炭素を吸収できますが、遠いb所に植えている水草は上手く二酸化炭素を吸収できない可能性が出てきます。

水流がないと水槽内に酸素や二酸化炭素が行き渡らないのか、と言われればそういうわけでもありません。

しかし酸素や二酸化炭素は水流が無いと、ほんのわずかな速さでしか水中内を移動できないのです。

このような場合に水流があれば、二酸化炭素が水槽の隅々まで運ばれるので、拡散器から遠い場所の水草も安定的に生長できるのです。

 

 

水温調節との関係性

水流は水温とも密接な関わりがあります。

水槽にはヒーターを導入している人も多いのではないでしょうか。

水流が無いと、ヒーター付近の水温は高くなりますが、やはり遠くの水温はなかなか上がらなかったりと、場所によって水温に差が出てしまう傾向にあります。

暖かい水は上に行きますので、底の方の水は冷たく、水面付近の水は暖かくなりやすくもなりますね。

水流があると水槽全体の水温を均一にすることができる点でもとても重要なポイントになります。

 

水流は栄養素を運ぶ

水草は根っこからしか栄養素を吸収しているというわけでありません。

葉っぱからも栄養素を吸収しているのです。

この栄養素を水流が満遍なく水槽全体に運んでくれます。

水の流れがあれば、至る所の水草が効率よく栄養素を吸収する事ができますので、水草の生長にも水流はとても重要なものになります。

 

 

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底床のバクテリアに影響

底床を敷いている場合には、そこにはたくさんのバクテリアが定着しています。

水流がないと水槽の底に酸素が上手く循環して回らない為、バクテリアに充分な酸素が供給されない事があります。

バクテリアも生物である以上は呼吸をしています。

酸欠状態に陥ったバクテリアの分解能力は低下してしまいますので、水槽の生物ろ過機能が低下してしまう事になります。

底床にまでしっかりと酸素を供給するためには水流が大切なんです。

 

バクテリアが酸欠状態になった場合に起こるもう一つの問題として油膜の発生があります。

水面に半透明な油膜が張っているのを見た事がないでしょうか。

あれは死んで水面に浮いてきたバクテリアの集まりなんです。

酸素は通常水面からも自然と水中に溶け込んでいきます。

しかし油膜があると上手く溶け込むことができないため、水中がさらに酸欠状態になりやすくなります。

水面付近に水流があると、油膜が張らなくなり、こういった問題も起きにくくなります。

 

なお、油膜に関しては以下の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

 

正しい水流の作り方とは?

水流を作るポイントは至ってシンプルです。

水流が滞る場所がないように注意をしながら水流を作るようにすれば良いのです。

水を循環させるために水流を強くしすぎてもあまり良いことはありません。

水流が苦手な生体を飼育している場合にはストレスになってしまいますし、植えたばかりの水草が抜けてしまうという事もあります。

フィルターを導入する際のポイントとして水槽の規格よりも大きめのサイズ対応のフィルターを選ぶ方が、より良いろ過機能が期待できるというコツがあります。

しかし大き目の規格のフィルターだと水槽に対して水流が強すぎてしまう事があります。

外掛けフィルターや水中フィルターなどを選ぶ際には、しっかりとした水流調節機能が付いたものを選ぶと、とても便利ですしおススメですね。

 

またフィルターなど水流を作っている機器の排水口前をレイアウトで塞いでしまう事がないようにする事も重要です。

水流はゆっくりでも構いません。

弱い水流でも水槽全体に行き渡るような流れを作れるかどうかが重要なポイントになります。

 

まとめ

水流の重要性や役割をまとめると以下の通りです。

 

  • 酸素や二酸化炭素を水槽全体にくまなく運ぶ
  • 水草の栄養素を運ぶ
  • 油膜発生を抑制できる
  • 水槽全体の水温を均一に調整できる

水流は強すぎてもダメですし、水流が滞る場所ができてしまうのもダメです。

緩い水流でも良いので、水槽全体にくまなく行き渡る水流作りを心がける事が、より良い水槽環境を作る重要なポイントになるのです。