アクアリウムをやっている人の楽しみと言えば、やはり美しい水槽を眺める事ですよね。
最近はLEDを使ったきれいな照明機材が販売されていて、照明によってはいろんな色で照らすことができてとてもきれいです。
水槽を眺めていると、時間さえ忘れてしまう事だってあります。
そんなアクアリウムに欠かせない照明ですが、つけっぱなしにしてはいけないという事をご存知でしょうか。
今回は水槽の照明をつけっぱなしにしてはいけない理由について、詳しくご紹介していきたいと思います。
水槽の照明は太陽の光と同じ
水槽の照明の役割や意味と言えばいったい何でしょうか。
一つは、見る人が水槽内をよりきれいに見れるように照らしてくれる事ですよね。
他にも「太陽の代わりになる」という大切な役割があるのです。
自然界では、いろんな生き物たちが太陽の光を浴びて健康に生きることができています。
この生き物というのは、動物たちだけではありません。
植物も同様に、太陽の光を浴びて光合成を行う事は広く知られています。
またここで言う植物というのは、水草などの一般的な植物だけではありません。
苔や植物プランクトンも含まれます。
苔や植物プランクトンの生長や増殖にも太陽の光は欠かせないのです。
太陽光のサイクル
太陽は朝から夕方まで出ていますが、当然夜には沈んでしまいますよね。
太陽の光が当たったり、当たらなかったりというサイクルの環境が、上手く自然の生態系を回していると言っても過言ではありません。
もしも太陽が昼も夜も出ていたらどうなるでしょうか。
ちょっと想像が出来ないかもしれませんが、間違いなく生態系に悪影響を与えてしまいます。
水槽の照明をつけっぱなしにする、という事はすなわち「ずっと太陽が照っている状態」と等しいと言えるのです。
生き物たちには必ず活動と休眠のサイクルがあり、これは昼行性や夜行性を問わず必ず存在するものです。
このサイクルが壊され、夜にも明るい状態が続くことによって、生体は生活のリズムを失い、体調を崩してしまう要因になってしまいます。
水槽の照明をつける場合には、こうした自然の太陽の光のサイクルを視野に入れた照明管理をする必要があるのです。
照明のつけっぱなしは苔の増殖を引き起こす
照明をつけっぱなしにすると、たちまち水槽のガラス面に苔が生えてきてしまいます。
実は苔はこうしたじわりじわりと照らされる環境を好み、照明のつけっぱなしは苔の増殖を早めてしまいます。
屋外でも天気のいい日が続いたり、長時間に渡って直射日光が当たり続ける場所に水槽を置いておくと、たちまち苔が生えてしまいます。
こういった理由から日照時間が長い夏の方が、冬よりも苔の発生がしやすいのです。
理想的な照明時間
照明をつけておく時間は、出来る限り自然の太陽が出ている時間と同じくらいの時間つけておくことが望ましいと言えます。
一般的に言われているのは、8時間から12時間くらいまでの照明に留めておく方が良いでしょう。
これを超えると、苔の増殖を招いてしまいますし、水草なども過剰に成長していきますのでトリミングなどの管理も必要になってきます。
当然照明時間を短くしておくと、苔の発生はしにくくなるものの、水草の成長も遅くなります。
また水槽も映えませんので見ていてもつまらないですよね。
自然環境に合わせるのであれば、照明時間は朝から夕方になるかと思います。
おススメの方法は、タイマーを使って自動的に証明のオンオフを切り替えてくれる機材を導入することですね。
基本的に照明時間の管理方法はそれでいいのですが、そうすると仕事で日中は家にいない人などは、照明がついている水槽を観察することができないですよね。
そういった場合は、照明時間をずらせばOKです。
つまりほとんど夕方から翌朝にしか家にいないという場合は、夕方から夜中にかけて照明をつける設定にしておけばOKです。
その場合の注意点として、本来の昼には夜を演出してあげなければいけません。
夜に照明をつけるという事は、昼には照明がついていないという設定でもありますので、水槽を暗い場所で管理するなどして夜にしてあげるという事ですね。
2つ目の注意点として、休みの日で家にいるからといって昼夜にかけて照明をつけっぱなしにするというのはやめましょう。
不規則な照明点灯は生体にもよくありません。
まとめ
室内での照明は屋外の太陽と同じ働きをします。
照明は水槽内の生体の健康や植物の成長にとって欠かせないものですが、ずっとつけっぱなしにする事によって、昼夜のリズムを崩してしまう事になります。
昼夜のリズムが崩れると、生体が調子を崩し悪影響となるばかりか、苔の増殖の大きな要因ともなります。
大切なのは「一日8時間から12時間の間で規則正しく照明をつける事」です。
水槽内にも規則正しい昼夜を作ってあげる事で、生体や水草の成長を促進するとともに、苔などの増殖を抑えることができますよ。
また、照明時間をコントロールできる便利な機材も販売されていますから、併せて使用すると良いですね。