ミドリガメはとても丈夫なカメですので、普通に飼育していさえすれば、滅多に病気になることはありません。
とても飼いやすいペットなのです。
しかしそんなミドリガメでも、あまりにもずさんな管理をしていれば当然病気になってしまいます。
そこで今回はそんなミドリガメがかかりやすい病気について詳しく調べてまとめてみました。
クル病
甲羅が柔らかくなったり、歪んでいたり、はがれてしまうなどと言った症状が見られる場合は「クル病」である可能性が高いです。
原因はカルシウム不足であったり、ビタミンD3が不足しているために起こります。
カメの甲羅を形成するのはカルシウムです。カルシウムが不足すると甲羅が形成できずに異常をきたしてしまうという事です。
対策としては、日光浴をさせる事です。
カメは日光浴をすることで、体内でビタミンD3を作り出すことができ、カルシウムを消化吸収できるようになるのです。
日光浴をしっかりすることだけでも改善できますが、カルシウムを多く含んだ餌を多めにあ与えるとなお良いです。
ハーダー氏腺炎
難しい病名ですが、ミドリガメの目が開かなかったり、腫れたりしている症状が見られる場合はこの病気を疑いましょう。
放置しておくとどんどん元気がなくなっていき、目を閉じて動かなくなり、手遅れになると最悪死んでしまいます。
原因はビタミンAの不足が主な原因です。
また水質が悪化することにより、目に細菌が入って発症することがあります。
ミドリガメには最も多い病気のひとつで、生後間もないミドリガメは体力的に弱く、特に掛かりやすいとされていますので注意しましょう。
対策としては、水質を悪化させないようにきれいに保つようにすることです。
またビタミンAを補給させるために、カメ用のビタミン剤を与えてあげてください。
皮膚病、水カビ病
カメの皮膚や甲羅に白い綿のようなカビが生える病気です。
普段元気なミドリガメであれば発症することはありません。
水カビの原因になる菌は水の中に普段からいるのです。
しかし弱ったり傷ついているカメの場合は、そこから菌が付いて増殖し発症します。
対策方法としては、これも水質の悪化を防ぐのがまず第一に大切です。
飼育環境が悪い場合は、水換えを行うなど環境の見直しを行いましょう。
水カビの部分を取ってあげて、日光浴をさせることでも効果があります。
また飼育温度を最もミドリガメが活発に行動しやすい温度帯である25℃にする事で、餌をしっかりと食べて栄養を付けることができます。
また、イソジン(うがい薬)を使った治療方法もあるようですね。
方法は簡単です。イソジンを水に少々混ぜて、そこにミドリガメを入れます。
1時間くらいはそのままにしておきます。その後続けて日光浴をさせてください。
1時間~2時間くらいでOKです。日光浴ができない場合は、代わりにバスキングライトを当ててあげる事でも同様の効果を得られます。
人工的に日光浴をさせるわけですね。
症状が比較的軽ければ、上記の方法で改善することができるとされますが、症状が重い場合には獣医さんに診てもらう事も検討した方が良さそうです。
肺炎
ミドリガメも肺炎にかかることがあります。
しかも肺炎はミドリガメがかかりやすい病気のひとつでもあるのです。
症状としては、ミドリガメが水に潜れずに浮いたままの状態でいる、鼻水を出している、体を水平にせずに傾いた状態のまま泳いでいるといった状況の場合は肺炎を疑いましょう。
肺炎にかかる原因は、雑菌やウイルスです。
普段健康な状態で飼われているミドリガメであれば、こうしたウィルスに対して抵抗力があるため肺炎にかかることはありません。
飼育環境が悪化し、ミドリガメの体力が低下し、栄養不足になって肺炎を発症するケースが多いです。
対策としては、とにかく飼育環境の改善が先決です。飼育温度が20℃を下回っていないかを確認します。
子ガメほど低温度には弱い傾向にあるため、25℃でも温度が低いと認識しましょう。
水温は30℃くらいでも問題ないくらいなので、高めの水温に設定し直しましょう。
餌をしっかりと食べられているのかもチェックしてください。
栄養の豊富な餌をたっぷり与えておきましょう。
最も最善の対策は獣医さんに診てもらう事ですが、まずは自分でできることはすぐに行い、対策を取りましょう。
熱中症
飼育環境が暑すぎることが原因です。
ヒーターの設定温度が高すぎることによって発症することが多いです。
症状は口から泡を吹いて、放置すればそのまま死亡します。
対策方法は、応急処置としてミドリガメに冷たい水をかけてあげてください。
その後、水温や飼育環境の温度を下げてあげる事や、風通しを良くしてあげる事が重要です。
または外で飼っている場合ですと、しっかりと涼める日陰になる場所も作ってあげるようにしましょう。
口内炎
ミドリガメも口内炎になります。
症状としては、口の痛さから口を閉じれずに、口を開けたままにしています。
また食欲も落ちたり前足で口を引っ掻いたりといった行動が見られるようになります。
またミドリガメの口の中はピンク色なのですが、白い色のものが確認できた場合、口内炎が悪化して膿になっている場合があります。
原因は水質悪化による飼育環境の悪化やビタミン不足です。
栄養をしっかりと吸収できるように、温度を25℃以上にに保つようにしてください。
水温を上げるとそれだけ雑菌も増殖しやすくなるので、水換えもこまめに行って水質悪化を防ぎましょう。
ミドリガメの飼育方法
ミドリガメの飼育方法に関しては、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
まとめ
他にも色々と病気があるのですが、どの病気にも当てはまる原因は、「飼育環境の悪化」ですね。
主に水質の悪化によるミドリガメの体力低下、抵抗力低下が様々な病気の引き金になっているようです。
または水温が低い事から消化能力が落ち、栄養を吸収できずに病気にかかるパターンが多いようです。
以上の事からミドリガメの飼育における重要なポイントは、「温度管理」と「水質の維持」になりますね。