トンボって空を飛んでいるイメージがありますが、トンボの幼虫ってどんな姿をしていて、どこに棲んでいるのかご存知ですか?
今回はそんなトンボの幼虫である「ヤゴ」について、飼育方法や餌の与え方、上手な育て方について詳しく調べてまとめてみました。
目次
ヤゴとは?
ヤゴは溜池や河川などの水辺に生息している水棲昆虫で、皆が良く知っているあの「トンボ」の幼虫でもあります。
トンボが空を飛び回る飛翔能力を持っているのに対して、ヤゴは水中で生きる事ができるという能力を持っているのです。
ヤゴがトンボの幼虫である事自体、全く知らなかったという人もいるのではないでしょうか。
トンボにもたくさんの種類がいるように、その数だけヤゴの種類もたくさんいます。
それぞれが特徴的な姿形をしており、観察するとなかなか楽しいです。
ヤゴの採集
ヤゴは池や河川などで普通に生息していますが、ヤゴだけを上手く捕まえるというのは結構難しいものがあります。
ですので、「ガサガサ」といって、網で川底などを砂利ごとすくうような採集方法がおススメです。
基本的にどんな場所でも採集できますが、ヤゴの天敵になるブラックバスやザリガニなどが多い場所では、そもそもヤゴがいない場合がありますので、ヤゴが生息していそうな場所を見極めることが大事ですね。
ヤゴの値段は?
ヤゴの採集がなかなか難しい!という場合。
ヤゴは購入する事もできます。
オークションなどを覗いてみると、1,000円~2,000円くらいの値段でヤゴが販売されています。
ただし希少性の高いオニヤンマやギンヤンマなどのヤゴが販売されていますので、シオカラトンボやアカトンボなどは、やはり採集するのが良いのではないかともいます。
ヤゴの飼育方法は?
ヤゴの飼育方法について順にご紹介します。
飼育ケース
ヤゴを飼育するためには、ある程度の大きさのケースを用意しましょう。
昆虫飼育用のプラケースでも十分に飼育できますし、水槽などを使うとよりスタイリッシュに飼育できますね。
底砂
ケースの底には砂利や砂、泥などを敷くのですが、これはもともとそのヤゴがいた場所の砂や泥を使う方が良いとされています。
購入したヤゴの場合は、なかなかそういうわけにもいかないでしょうが、環境の変化をなるべく避けるためにも採集場所の砂や泥も一緒に採取しておくと良いでしょう。
飼育水
水は基本的に水道水でも大丈夫なのですが、カルキ抜きをしておいた、汲み置きの水を使用する方が良いでしょう。
飼育していると、次第に水が汚れていきますので、定期的に水替えを行った方が良いです。
水替えしたいときにすぐに出来るように、替えの水を予め汲み置きしておきましょう。
隠れ家や水草
隠れ家や水草も一緒に入れてあげると、ヤゴが隠れて休むことができます。
隠れ家は色んなもので作れますが、小型の植木鉢を少し割って、ひっくり返したものでも隠れ家として最適でしょう。
また流木や石などを少し水面から出しておくと、成虫になる際に陸地に上がりやすくなります。
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飼育適正温度は?
飼育温度に関しては20℃くらいの低温飼育が良いとされています。
基本的に温度管理はそれほど気を使わなくても良いのですが、夏場の水温上昇には注意が必要で、これが原因で死んでしまう事もあります。
夏はなるべく日陰の涼しい場所で飼うようにしてください。
またヒーターなどは必要ありませんが、低温では育たないタイプの水草などを入れている場合、ヒーターで温度管理した方が良いでしょう。
エアレーションは必要?
これに関しては、飼育するヤゴの種類によって違ってくるようですね。
川などの流れがある場所で採集したヤゴの場合はエアレーションが必要ですが、池などの流れの無い場所で採集したヤゴにはエアレーションは必要ないと言われています。
ヤゴの餌は?
ヤゴの飼育で最も難しいとされているのが、「餌」になるかと思います。
ヤゴは生きた餌しか食べない為、ヤゴの餌となる小さな昆虫等をその都度与える必要があるのです。
ではどんなものを餌としているのでしょうか。
ヤゴが食べるのは、水中にいるイトミミズ、蚊の幼虫であるボウフラ、アカムシ、ミジンコ、バッタ、オタマジャクシ、メダカなどが丁度よいと言われています。
普通の陸にいるミミズも食べますが、あまりに大きいサイズのミミズだと、ヤゴが怖がったり、そもそも大きすぎて食べなかったりします。
ミミズの子供くらいの小さいサイズのミミズであれば食べてくれますよ。
餌はヤゴの成長度合いによって与えるサイズを調整しましょう。
産まれたばかりのヤゴには、小さなミジンコなどが適しています。
しかしそれだけ小さな餌になると、餌の確保が難しいですので、ある程度育ったヤゴの方が遥かに飼育しやすいのは間違いありません。
餌の入手については、家の庭などでミミズを捕まえても良いですが、最も簡単な方法は釣り具店やペットショップで餌を購入する方法です。
釣具店などでは釣りの餌になるミミズやアカムシなどが普通に販売されていますので、そちらを購入すると簡単に入手できます。
大きくなってきたヤゴには、メダカやオタマジャクシなどのちょっと大きい餌も食べますが、ちょっと可哀そうだという声もあるようですね。
水面に浮いている獲物も食べますから、ちょっと大きなヤゴだと、バッタなんかも食べますよ。
餌を与える際は、毎日少量ずつ与えるようにします。
食べきれなかった餌は、水を汚してしまい衛生的に良くありませんから、すぐに取り除くようにしてください。
また注意点として、ヤゴを複数匹同じケースで飼育している場合は、共食いに注意しなければいけません。
餌が足りなくなると、ヤゴは共食いを始めてしまいます。
餌は常に適量を与えるのが、ヤゴを上手に育てるコツなのです。
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ヤゴが羽化するまでどれくらいかかる?
ヤゴがトンボになるまでの期間は、そのヤゴの種類によって違うようですが、ギンヤンマなどの大型のトンボのヤゴの場合は、なんと5年もの間ヤゴのまま過ごすようですね。
トンボになって飛び回るようになると、それほど長く生きませんが、ヤゴの間の寿命は私たちが思う以上に長いのかもしれませんね。
ちなみにイトトンボなどのヤゴの場合は、わずか一か月という短さですので、種類によって異なるというのが良く分かるかと思います。
まとめ
ヤゴは皆が知っている「トンボ」の幼虫の事で、水の中に生息している水棲昆虫です。
その辺の河川や池で普通に見られますが、飼うのはややコツが必要です。
難しいとされるのは餌の供給で、ヤゴは生き餌しか食べない為、ヤゴの大きさに応じた生き餌の調達が必要不可欠になります。
またトンボがヤゴで過ごす期間は長い傾向にあり、オニヤンマなどの大型のトンボのヤゴの場合は、なんと5年もの間やごとして過ごします。
ヤゴを飼育する場合は、なるべく大型のトンボのヤゴを飼育する方が、簡単により長くヤゴ飼育と観察を楽しむことができるでしょう。