ヤマトヌマエビ

ヤマトヌマエビの飼育は簡単ですが、繁殖は難しいと言われています。

その理由はヤマトヌマエビの繁殖には淡水だけではなく、汽水での飼育も必要になるからです。

その他にもたくさん難しい理由があります。

ヤマトヌマエビの繁殖が難しい理由に関しては、以下の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
ヤマトヌマエビの繁殖が難しいと言われている理由とは?

しかしヤマトヌマエビを繁殖させることは決して不可能ではありません。しっかりとポイントさえ抑えておけば、意外と簡単に繁殖させることができるかもしれません。

そこで今回はヤマトヌマエビを繁殖させるための方法や、失敗しないためのポイントを解説していきます。

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ヤマトヌマエビが抱卵したら

ヤマトヌマエビはオスとメスがいれば、比較的簡単に抱卵します。ここまでは誰でも簡単に見ることができると思います。

ヤマトヌマエビが抱卵したのを確認したら、親エビを隔離する必要があります。
というのも、そのままにしておいて産まれてから赤ちゃんゾエアを回収するとなると結構難易度が高いからです。

ハッチアウトするまでに親エビごと別容器に隔離し、そこでゾエアのみを回収しやすい様にするのが目的です。

隔離する時期は、抱卵後すぐでなくても構いません。ハッチアウトまではしばらく時間がかかりますので、慌てなくても大丈夫です。

ハッチアウトが近づくと卵が黄色く色付き始め、ゾエアの黒い目も見えるようになってきます。
この辺りから親エビを隔離すれば良いです。

隔離する容器はサテライトがおすすめ

親エビを隔離する容器は小さい方が良いですが、小さい容器程水質の管理が難しいという欠点があり、水質が合わないと親エビが突然脱皮してしまい、せっかく抱卵した卵を脱卵してしまう可能性が高くなります。
脱卵してしまうともう卵は孵りませんので、できれば同じ水質の環境で隔離したいところです。

そこでおススメなのが「サテライト」になります。サテライトは色んなサイズがありますので、お使いの水槽に応じて用意しておくと良いでしょう。

またサテライトの排水口からゾエアが本水槽に戻ってしまわないように、目の細かいスポンジなどを詰めておくと良いです。
サテライトのグレードアップセットという便利なオプションパーツもあり、そちらを使えばこの辺りの問題はOKです。

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ゾエア育成のための汽水を用意する

ゾエアを育成するためには70%の汽水が必要になります。
作った汽水をペットボトルや小型水槽などに入れ、水草も一緒に入れておきます。その容器を窓際などの日当たりの良い場所に置いておきます。そうすることで汽水内にプランクトンが湧くようになります。ここで沸かせたプランクトンがゾエアの餌になります。

汽水を作り置きしておく期間は3週間から1か月くらいを目安にします。
ですので、エビが抱卵したらすぐに汽水の飼育水を準備するようにしないと間に合わない可能性がありますので、早めに汽水を準備しておきましょう。また水換え用に汽水のストックも併せて用意しておくと良いです。

汽水の作り方

汽水の作り方は2通りです。一つは「海水の素」を使う方法。もう一つは「汽水の素」を使う方法です。
簡単なのは言わずとも汽水の素を使う方法です。

汽水の素を使う場合は説明書通りに作ればOKですが、海水の素を使う場合はちょっと手間が掛かります。といっても簡単です。

まず、容量を計れる容器に海水を作ります。ペットボトルなどがおススメです。
次に容器一杯に作った海水を30%捨てます。そして減った分の水を、水槽の淡水の飼育水で補えば70%の汽水の出来上がりです。

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ゾエアを回収する

ゾエアが産まれたら、ゾエアを予め作っておいた汽水に移します。
方法は2通りです。一つはゾエアを汽水の容器に移す方法。もう一つは隔離容器の水をできるだけ捨てて、汽水を入れる方法です。

サテライトで隔離していたのであれば、ゾエアを回収して汽水環境に移す作業が必要です。
小さなスプーンや大き目のスポイトなどでそっと移します。

ゾエアのお世話と給餌

ゾエアは約2週間の後にエビの姿になり、稚エビになります。ヤマトヌマエビはゾエアの期間に死んでしまうことが多く、そのほとんどが「餓死」です。

汽水にプランクトンが湧いていてもそれだけでは生き残れませんので、やはり給餌が必要になります。
用意できる餌で簡単なものは「米のとぎ汁」もしくは「ゾウリムシ」です。これをスポイトで少しずつ与えます。

注意点として、ゾエアは水中を漂いますので、餌も沈殿しないように定期的にかき回して浮遊させておかないと食べる事ができません。また米のとぎ汁は水質を悪化させますので、できれば毎日底に溜まったカスをスポイトで吸い取って掃除してください。その際に減った水はストックしておいた汽水で補います。

稚エビになったら

2週間を乗りきって無事稚エビになったら、餌もエビ用の餌を与えるようにします。
ただし、まだそんなに食べられませんので、エビ用の餌を細かくしたものを少量与えるようにします。与えすぎると水質悪化を招きます。
この頃から糞の量も多くなり、水質が悪化しやすくなりますので、小まめにスポイトで掃除してください。

小エビになったら

体の表面の模様が見えるくらいに成長したら、親エビと同じ餌の与え方でOKです。この頃から汽水から淡水にも適応できるようになってきます。

ただし、一気に淡水に切り替えると死んでしまう可能性が高いです。対応としては、水換えの際に減った分の水を汽水ではなく、淡水で補うことで汽水を薄めていき、淡水に近づけていくことができます。

この頃の注意点として、酸欠があります。小エビは酸素消費も多くなり、突然酸欠になって死んでしまうことも多いので、エアレーションもかけてあげましょう。ただし、強すぎるエアレーションは小エビにはダメージになりますので、できるだけ弱くエアレーションをする方が無難です。

方法はエアポンプで調節するか、エアチューブにコックを付けて調節する方法の2通りがあります。
エアーの流量調節が難しいのであれば、エアレーションをかける時間をとしない時間を交互に設けて時間管理する方法も良いでしょう。

ここまでくれば親エビと同じ環境で飼育可能になりますので、本水槽に移してもOKです。

まとめ

ヤマトヌマエビの繁殖のポイントは下記の通り。

  • 70%の汽水を事前に用意し、ゾエアを育てる
  • ゾエアの期間は餌は時々かき回して餓死を防ぐ
  • 小エビになったらエアレーションもして酸欠を防ぐ

概ね以上がゾエア育成のポイントです。
上手く親エビを隔離し、水質の良い汽水を維持し、餌を適宜与えることができるかどうかがポイントですね。

ヤマトヌマエビの繁殖に成功すれば、アクアリウムにかなりの自信がつくこと間違いなしですね。