
水槽の水をきれいにするにはどうしたらいいのでしょうか。
フィルターを導入して、ろ過材をたくさん入れて・・
水質浄化能力が高い水草を一緒に入れる・・
様々な方法がありますよね。
ゼオライトという石も水質浄化にとっても便利だという事をご存知ですか。
近年ゼオライトがアクアリウムにおける水質維持にとても効果的だという事で注目を集めています。
一体どんな石なんでしょうか。
またどんな効果があるのでしょうか。
今回はゼオライトの効果について詳しくご紹介していこうと思います。
ゼオライトとは
ゼオライトは沸石 (ふっせき)とも言われており、天然に存在する鉱物です。
一見するとただの白い石ころにも見えますが、すごい効果を持っているんです。
天然で採掘されるゼオライト以外にも、様々な構造や性質を持ったゼオライトが人工的に作り出されてもいます。
その性質から、工場などの施設でも私たちの生活の中でも幅広く導入され、重宝されています。
ゼオライトの性質、イオン交換
ゼオライトのすごい能力はイオン交換という性質によるものが大きいです。
イオン交換とは、上手く説明できないですが簡単に言うと、何かの物質に触れた際にその物質の持つイオンと、自分の持つイオンを入れ替えてしまう機能の事です。
ゼオライトを水に入れると、様々な物質をゼオライトが吸着するんです。
その代わりに自分の持っているナトリウムイオンを放出するというものです。
生体を入れた水槽にゼオライトを入れると、水中のアンモニアを吸着して、代わりにナトリウムイオンを放出することになります。
水中に残ったアンモニアは生体にとって猛毒ですから、これを吸着してくれるゼオライトはまさに神のごとき存在なのです。
アンモニアを吸着する物質は他にもありますよね。
活性炭が有名ですが、残念ながら活性炭は空気中のアンモニアを吸着できますが、水中のアンモニアは吸着できないという性質があります。
水中のアンモニアを吸着できるものはゼオライトだけ、という事ですからアクアリストにとってはかなり便利な石だと言えるでしょう。
実際にゼオライトは様々な物質を吸着しますが、それには優先順位があり、アンモニアの優先順位が高いために吸着しやすいのだそうです。
ゼオライトは何度でも使える!?
アンモニアを大量に吸着したゼオライトはもお払い箱なのか、と言われればそうではありません。
なんとゼオライトは再生できるのです。
アンモニアを吸着したゼオライトををたくさん含んだ塩水に入れておくと、今度はナトリウムを吸着してアンモニアを放出するんです。
つまりこうして再生させたゼオライトは何度でも再利用可能というわけですね。
塩水につけておくと、というのがポイントですが、これはある欠点でもあります。
塩水である海水につけるとアンモニアを放出してしまうため、ゼオライトの効果を得にくいのです。
ゼオライトを使うのは淡水の水槽に限るのが難点かも知れません。
ゼオライトはろ過材としてショップでも販売されていますので、気になった人は試してみると良いでしょう。
まとめ
ゼオライトはイオン交換という働きを持つ天然鉱物であり、人工的に作られたゼオライトも多数存在します。
ゼオライトは唯一、水中のアンモニアを吸着できるろ過材でもあります。
アンモニアを吸着できる事で知られている活性炭は、空気中のアンモニアは吸着できても水中のアンモニアは吸着できませんので、ゼオライトはアクアリストからも注目を浴びています。
ゼオライトはアンモニアを吸着する代わりにナトリウムイオンを放出する性質があります。
またアンモニアを吸着したゼオライトをを多く含んだ塩水に入れておくと、アンモニアを放出し、ナトリウムイオンを吸着するので何度でも再利用可能です。
ただし海水には効果が薄く、淡水の方が向いていますので注意しましょう。
このイオン交換によって、水槽内のアンモニアを効率的に除去、水質の維持に活用できますので是非とも導入してみたいところですね。