「どうせ飼育するなら自分にべったりなついた方がいい!」
そういう理由から、ヨウムを雛のときから育ててみたいと考える人もいるかと思います。
確かに、インターネットや本などを調べたら「雛のときから育てた方がなつきやすい」という情報が出てきます。
成鳥と雛の飼育は何か違いがあるのでしょうか。
ヨウムの雛の飼育に必要なもの、育て方、注意点を見ていきます。
目次
ヨウムの雛の飼育に必要なものは?
ヨウムの雛の飼育に必要なものは、以下のようなものです。
・ケージ
・ペットヒーター
・温度計と湿度計
・挿し餌用のシリンジ
・挿し餌用の餌
・体重を計るための計量器
ケージ
ヨウムの雛は生後3ヶ月くらいで成鳥と同じくらいの大きさになりますので、大型のインコやヨウム用のケージを用意してあげましょう。
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ペットヒーター
雛は成鳥よりも体温調節が難しいため、季節や気温によってはペットヒーターを用意し、冷えないように気を付けてあげましょう。
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温度計と湿度計
野生のヨウムは、高温・高湿度の場所に生息しているため、室温や湿度が低いと体調不良を引き起こしてしまいます。
常に室温や湿度が分かるようにしておきましょう。
挿し餌用のシリンジ
雛の飼育にかかせないもので、ペットショップや鳥類専門ショップで購入出来ます。
雛の食い付き具合を見ながら、少しずつ与えていきます。
挿し餌用のスプーンもあり、大きくなってきたらそちらに切り替えても良いでしょう。
使用後はきれいに洗って、雑菌などが付かないように気を付けて下さい。
挿し餌用の餌
雛は成鳥と同じような餌をいきなり食べることが出来ません。
ですので、挿し餌用の餌を購入して与えます。
これもペットショップや鳥類専門ショップで販売されています。
挿し餌が変わると雛が戸惑って食べないことがあるため、雛の販売先でどの挿し餌を与えているか聞いておくと餌やりがスムーズに進みます。
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体重を計るための計量器
体重管理に使います。
体重の増減は健康のバロメーターですので、体重が増えない・減ってきていると感じたら、ヨウムを購入したブリーダーやショップ、動物病院に相談してみましょう。
体重減少は体調不良や病気の可能性もあるため、自己判断は止めておきましょう。
ヨウムの雛の育て方
要なものが揃ったら、育て方を見ていきます。
ヨウムの雛の飼育の流れは、大体以下のような感じです。
・1日3から4回挿し餌を与える
・体重管理をする
・温度管理に気を付ける
・雛換羽に注意
特に挿し餌や雛換羽は、雛ならではの飼育ですのでしっかり情報収集しておいた方が良いでしょう。
1日3から4回挿し餌を与える
人間の赤ちゃんも、生まれてからしばらくはひとりでご飯を食べられませんよね。
それと同じように、ヨウムの雛もはじめはひとりで餌を食べることが出来ません。
ですので、「挿し餌」をしてあげる必要があります。
挿し餌は、挿し餌用の餌をお湯でふやかし、雛が口を開けたときに専用のシリンジで口の中に入れてあげましょう。
このときに注意したいのが、挿し餌の状態と温度、量です。
挿し餌はたくさんお湯を混ぜてドロドロにしてしまうのではなく、少しサラサラ感が残る感じにしておき、40℃くらいになるまで冷まします。
量は少しずつ与えます。
あまりドロドロした餌やたくさんの量を一度に与えると、雛の気管に餌がつまってしまい、最悪の場合命を落としてしまう危険性があります。
雛がきちんと食べて口の中に餌がなくなったかを確認してから次の餌を与えましょう。
最初から挿し餌をもりもり食べてくれる雛であれば問題ありませんが、中にはなかなか挿し餌を食べてくれない雛もいます。
理由は、
・ショップで食べていた餌と違うから
・挿し餌が冷めてしまい食べたくない
・環境になれておらず食欲がない
など様々です。
しっかり挿し餌を食べるようになると、体重の増減を見ながら挿し餌の回数を減らし、生後3ヶ月頃から成鳥が食べるような餌(種子や粟など)を与えていきます。
このときに気を付けたいのが、雛に種子などを食べさせてあげるのではなく、自分で食べるように促してやることです。
はじめのうちは食べないでガッカリすることもあるかと思いますが、そのうちに自分で食べるようになりますので、焦らず見守ってあげましょう。
体重管理を気を付ける
餌と並んで重要なのは、体重管理です。
体重の増減で健康かどうかやきちんと餌を食べているかが判断出来ますので、1日1回は体重測定をしましょう。
特に挿し餌を卒業しひとりで餌を食べ始める頃はなかなか食が進まないこともあり、体重の減少が予想されますので、注意して下さい。
温度管理に気を付ける
どの生き物も大人より子どもの方が体温調節が難しいため、エアコンやペットヒーターなどで適温に保ってあげる必要があります。
特に生まれて初めての冬は寒さで体調不良を引き起こしてしまうこともあるので、注意が必要です。
ケージをすっぽりカバーで覆っても防寒対策が出来ますので、エアコンなどと臨機応変に使い分けましょう。
雛換羽に注意
ヨウムをはじめとした鳥類は定期的に羽毛が抜ける(=換羽)ようになっていますが、生後8ヶ月頃に初めて迎える換毛を「雛換羽」と言います。
赤ちゃんの羽毛が抜け、大人の羽毛に生え変わる大切な時期なのですが、換羽はヨウムにとってはストレスを感じる要因になります。
日光浴をいつもより長めにさせてあげるなど、ストレスが溜まらないように気を付けてあげましょう。
なお、雛換羽は1歳半から2歳までに終了します。
ヨウムの雛と接するときの注意点
成鳥もそうですが、はじめから飼い主にべったりなついているヨウムはいません。
今までと違う環境に連れてこられたストレスは少なからずあるでしょうし、雛であればなおさら環境の変化に敏感で影響を受けやすいです。
ちょっとしたストレスで、下痢などの体長不良を引き起こしてしまいます。
雛は可愛いし、早くなついてほしいからついつい構いたくなってしまいますが、慣れるまでは最低限のお世話に留め、慣れてきた頃からコミュニケーションを取り始めると良いでしょう。
餌をあげるときや体重管理のときに話しかけてあげると、雛はだんだん「この人は危害を加える人じゃない」と学習します。
早くおしゃべりを教えたくてウズウズしている人もいるかも知れませんが、まずはちゃんと餌を食べ、体重が増加し、環境に慣れること。
時間はかかるかも知れませんが、かけた愛情の分だけ雛は応えてくれます。
まとめ
雛は成鳥に比べて環境の変化やストレスに弱いため、ちょっとした油断が命に関わるような重大な危険を招く可能性があります。
挿し餌や体重管理など、雛の飼育はやることがたくさんあるため、飼い主もいっぱいいっぱいになってしまうことも。
分からないこと・不安なことがあれば、購入したショップや動物病院に連絡をしてみましょう。
人間の子育て同様、ひとりで抱え込むよりも誰かに頼れるときは頼ってみても良いのではないでしょうか。
解決の糸口が見つかり、気持ちも楽になるかも知れませんよ。
ヨウムの記事
その他ヨウムに関しては、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。