チンチラは砂浴びをする動物です。これは習性ですので、ペットとして飼われているチンチラであっても砂浴びをしたがります。
そもそもどうしてチンチラには砂浴びが必要なのでしょうか。
また砂浴びをすることによりどういった効果があるのでしょうか。
今回はそんなチンチラの砂浴びの必要性について調べてまとめてみました。
なお、チンチラの種類や飼い方に関しては以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
チンチラの砂浴びの必要性とは?
チンチラはとても柔らかく、つややかな毛を持っています。
この上質な毛皮を求めて、一時期野生のチンチラが大乱獲されました。
絶滅寸前にまで追い詰められた過去があるくらい、チンチラの毛はとても上質なものなのです。
そんなチンチラは「ラノリン」と呼ばれる脂肪物質を分泌します。
このラノリンがモフモフなチンチラの毛をコーティングし、保護しているのです。
このラノリンは、断熱効果があって保湿効果もあるという大変優れた働きをしているわけです。
しかしそんなラノリンもどんどん分泌されますので、余分なラノリンは落とさなければなりません。
しかし脂肪質でもあるラノリンは自然に蒸発することはありません。
余分なラノリンを落とすためにチンチラは砂浴びをする、というわけなのです。
砂浴びをしないと毛にゴミやホコリなどが付着し、毛が固まってしまうということも起こります。
これを気にしたチンチラが固まった毛を飲み込んでしまうという事故にもつながってしまいます。これを毛球症と呼びます。
こうした事態を防ぐためにチンチラには砂浴びは必須だというわけです。
チンチラは水浴びをすることができません。
ですのでチンチラにとって砂浴びは、私たちがお風呂に入るのと同じなのですね。
ちなみにこのラノリンですが、医薬品や化粧品に利用されているということをご存知ですか?
ラノリンは抱水性に優れており、保湿成分として活躍してくれます。
皮膚への粘着性も高いことから軟膏剤などの医薬品添加物としても利用されているというわけなのです。
砂浴びの頻度や時間はどれくらいがベスト?
砂浴びさせる頻度はどのくらいがベストなのでしょうか。
諸説あるようですが、一日一度の頻度でOKなようです。
また毎日砂浴びさせる必要があるわけではないようです。
一週間に四日、五日程度の頻度で構わないようですね。二日に一度くらいでも良いかと思います。
あらかじめ砂浴びさせる日を週に4~5日決めておき、砂浴びする日には一回砂浴びさせるくらいでOKということです。
一日朝夕2回砂浴びさせる飼い主さんもおられるようですね。砂浴びが大好きなチンチラであれば、多めに砂浴びさせてあげると良いでしょう。
砂浴びさせる時間はどれくらいが良いのかというと、大体一回につき5分~10分くらいが良いとされています。
しかしそんなに長く砂浴びしない個体も多いです。その場合は無理やり砂浴びさせず、もう十分だとアピールしてきたら止めさせても構いません。
チンチラの砂浴びにはどんな砂でも良いの?
砂浴びにはどんな砂でもOK、というわけではないようです。
好ましい砂はできるだけ粒子が細かいものを利用しましょう。
市販のものにチンチラ用の砂浴び用砂が販売されています。色々と種類があるようなので、色々と使ってみてチンチラの好みに合ったものを選ぶと良いですね。
市販品のもののメリットはチンチラ用に作られていますので、安心安全で簡単なところです。
デメリットを挙げるとすれば、ちょっと高価なところでしょうか。代表的なものに「チンチラサンド」や「チンチラダスト」があります。
また市販のもの以外にも、代用できる砂もあります。
ホームセンターの園芸コーナーや、ペットショップの観賞魚コーナーに行けば、ゼオライトというものが販売されています。
こちらを利用する事でも代用可能なようです。
ただし、そのままでは粒子が大きすぎて使えません。
砂の粒子を細かくしてやる必要があります。
おススメの方法は、コーヒー豆を挽く時に使う、ミル挽きなどを使うと丁度良い細かさにすることができます。
また殺菌処理されているものにする方が安心できますね。
なお、殺菌処理するためには、砂を一旦電子レンジでチンすればOKです。
間違ってもレンチンしたての砂で砂浴びさせるのはNGですから絶対にやめておきましょう。
また、公園などのその辺にある砂は衛生面でも良くない場合がほとんどですので、代用するのはやめておきましょう。
砂浴びさせる容器は?
チンチラは結構大きいですから、砂浴びさせる容器に困るということもあるかと思います。
実際に砂浴びさせる容器は、「寝転がって砂浴び出来るものならなんでも良い」のです。
市販のものに、砂浴び用の容器が販売されています。プレイバスという商品が有名かと思います。
砂が飛び散らないような設計になっていますので、とてもおススメですね。
もちろん市販品以外のものでもOKです。
よく見る半透明の衣装ケースでも砂浴び可能なのでおススメですね。
または水槽などでも良いでしょう。
入れる砂の量は、こまめに砂を取り換えるのであれば少量を入れ、取り換え頻度を少なくするのであれば、やや多めに入れても問題ありません。
深さの目安は、およそ1㎝の深さがあれば十分です。
頻繁に取り換えなければいけない場合とはどんな場合でしょうか。
これはチンチラの個体によって異なるのですが、時々砂場でおしっこをしてしまう個体がいるのです。
こういった性格の個体であれば、かなりの頻度で砂を好感しなければいけません。逆に砂場でおしっこをしない個体であれば、それほど砂が汚れませんので取り換え頻度は少なくて済みます。
しかし砂浴びの目的は、汚れや余分なラノリンを落とすことですから、砂が汚れていくのは当然のことです。
ですので汚れた個所はこまめに取り換えてあげるようにしましょう。また一週間に一度、すべての砂を取り換えてあげるようにしましょう。
砂浴びをするチンチラの動画
まとめ
チンチラが砂浴びをするのは、ちゃんとした理由があるのです。
砂浴びをさせないと毛球症になったりと問題もあるので、定期的に砂浴びさせることはチンチラ飼育においては必須だと言えます。
砂浴びさせる頻度は週に4~5回、一日に1~2回くらいでOKです。砂浴びさせる場合、砂が飛び散りますので、深めの容器がおススメです。
砂の量は深さ1㎝程度で構いません。砂浴びさせると砂が汚れていきますので、一週間に一度は砂を全量取り換えるようにしましょう。
使える砂は粒子が細かいものがベストです。
市販のものが安心安全ですが、園芸用のゼオライトでも粒子を細かくしてあげることで代用ができます。
砂は念のために殺菌処理を施しておきましょう。
チンチラにとって砂浴びは大事な日課とも言えます。正しい方法で砂浴びをさせてあげたいですね。