カラス

カラスの知能の高さは有名ですよね。
でもどちらかというと嫌われがちな存在で、農作物やゴミ箱を荒らしたり迷惑行為が目立ってしまうのではないでしょうか。

そんなカラスですが、いったいどれくらい賢いのでしょうか。今回はカラスの知能に焦点を当て、賢い、知能が高いと言われている理由やポイントをご紹介していきます。

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人間よりも脳の比率は高い

人間の脳の比率はどれくらいかご存知ですか?人間の脳の比率は約2%です。一方でカラスの脳の比率は、それを上回る約3%くらいです。
類人猿に匹敵する知能を持っているのはこのためだと言えます。

ただし、脳が大きいから知能が高いとは言えないですし、脳の比率が高いから知能も高いとも言い切れないです。ゾウの脳の大きさは人間よりもはるかに大きく、5倍はあるのですが人間より賢くはないですよね。また世界最小の哺乳類動物と言われているトガリネズミの脳の比率も、トップクラスで高いのです。でも決して賢くはないんです。

動物のそれぞれの脳の仕組みが異なっているからと言わざるを得ないでしょう。

オウムの仲間のヨウムも知能が高いといわれていますし、鳥類って結構知能が高くて賢いんじゃないかとも言われていますが、それも少し違います。

例えばニワトリやダチョウの脳の大きさや比率は凄く小さく、知能は低いので全くといっていいほど記憶する事ができません。あれだけ大きなダチョウでも全く人間の顔も覚えないと言われていますから、鳥類がすべて賢いわけではないということですね。こうしたことからもカラスが賢いのは不思議なことなんです。

顔や性別も判別可能

カラスは人間の顔はもちろん性別までも認識、判別可能であると言われています。
ワシントン大学でとある実験が行われました。特徴のある2つのマスクAとBを用意し、それぞれ2人にかぶってもらい、Aのマスクをつけた人にはカラスに嫌がらせをするという実験です。
この実験結果から、Aのマスクをつけた人間にのみカラスが威嚇をし、攻撃をするようという事実が分かったのです。
さらに凄いこともこの実験から分かりました。
それは「情報伝達能力」です。

情報伝達ができる

先ほどの実験からAの人間が危険だと認識していることが分かりましたが、もっとすごいのはここからです。嫌がらせを直接受けたカラスが仕返しをしてくるのは納得できますよね。しかし全くAの人間と接点がない別のカラスも、Aのマスクをかぶった人間を攻撃、威嚇するようになったというんです。
また新しく産まれたカラスもAのマスクをかぶった人間を威嚇、攻撃するように育ったというんですから驚きです。これはもう、Aの人間が危険だという情報を、カラス同士で情報共有、伝達していることに他なりません。仲間同士での横の伝達だけではなく、子供の世代にまで縦の情報共有、伝達、教育をしているという事実が分かったのです。
カラスもちゃんと「報告・連絡・相談」をしているということでしょうか。

道具を使うことができる

カラスは道具をどのように使えばいいのかをちゃんと理解できます。
コップに入った水を飲みたいけど、クチバシが届かない・・
こんな時にカラスはどうしたのかというと、コップの中に石を入れていき、水位を高くして水を飲むことができたのです。

有名なイソップ物語にも、これと同じ話が出てきますよね。

また木の枝を使って虫をほじくり出して食べることもできます。チンパンジーなどの類人猿ではよく見かけることですが、鳥類ではカラスくらいなんじゃないでしょうか。最も凄いと言われているカレドニアカラスは、加工した道具も使うことができます。木の枝を曲げて簡単なフックを作ることもあるようですよ。

また公園などの水道の蛇口を開けて水を飲むこともできます。蛇口の形状が複雑なものは無理ですが、そこから水が出ることはちゃんと理解していて、人間が水を出した時を見計らって水を飲みに降りてくるのです。

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数字を理解している

カラスは数字をちゃんと理解できます。とある実験結果では、1~6までの数字であればちゃんと理解し、認識可能になると分かりました。これは数字だけではなく、物の形をちゃんと識別できるとも言えるのではないでしょうか。

遊ぶ

遊ぶことができる動物は賢いと言われます。ここでいうところの遊ぶという行為は、一人でボールで遊ぶとか、狩りや餌を探すための行動とは全く関係がなく、特に目的もない暇つぶしのような行動を指します。カラスの遊びには興味深いところもあって、犬などの他の動物にちょっかいを出して反応を見て楽しんだり、他の動物では見られないような行動もするんです。
公園の滑り台を滑って遊ぶカラスも目撃されていて、ちゃんと人間の行動をみて真似をしているんですね。

信号を理解している

カラスが割れない木の実を道に落として、車に轢かせて中身を食べるという話は有名ですよね。カラスは木の実を食べたいが故に道路に出てそんな危険を冒すのか、とちょっと疑問に思ったりもします。しかしカラスはちゃんと信号というものを理解していると言われています。
車が信号に従って動いていることもちゃんとわかっているのです。なので青信号の時に木の実を道に落とし、赤信号になった時に拾い来るというわけですね。

カラスの言葉にも方言がある

カラスの鳴き声「カーカー」というものにも方言があるのだそうです。あるグループから抜けて別のグループに入ったカラスが、新しいグループの鳴き方、つまり方言のようなものを真似て習得しようとするんです。

辛抱ができ、待てる

多くの動物は待つことができないです。犬の「待て」は有名ですが、それとは少し異なります。とある実験が行われ、2種類のカラスの餌を用意しました。ひとつは普通の餌ですが、もうひとつはカラスがすごく好む美味しい餌です。最初に普通の餌を出されるとそれを食べますが、食べずに一定時間が経過すると、代わりにもっと美味しい餌がもらえるという実験ですね。

この実験結果から、美味しい餌をもらうためにカラスは待つことができる、という事実も分かりました。ちなみに、2種類とも同じ普通の餌だと分かっていれば、最初に出された餌を食べることも分かりました。

懐きやすい

賢いカラスはとても懐きやすい鳥だということもできます。餌をくれる人間だと分かれば自分から近づいたり、肩に乗ったりと人間に慣れやすく懐きやすいんです。残念ながら鳥獣保護法によってカラスを用意に飼育することはできませんが、飼育してみると楽しい鳥なのかもしれませんね。

お返しやお礼もできる

カラスの仕返しは有名ですが、カラスは何か貰った時などのお返しやお礼もできると言われています。
アメリカのシアトルの子供のエピソードが有名で、毎日カラスに餌をあげていたところ、お礼にビー玉や奇麗な石を持ってきてくれるようになったというのです。
またカラスに関しては、このエピソードも併せて別の記事でも紹介していますので、ぜひご覧ください。

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