ゼニガメというカメをご存知ですか。
ペットショップに行くと、ミドリガメと一緒にゼニガメという名前で売られている小さなカメがいると思います。
実はゼニガメは「クサガメ」と呼ばれているカメの幼体の事を指す呼び名で、ゼニガメという名前のカメは存在していないのです。
以前は「イシガメ」というカメの幼体の事をゼニガメと呼んでいましたが、現在は専らクサガメの赤ちゃんを指すのだそうです。
そこで今回はそんなクサガメ(ゼニガメ)についての特徴を詳しく調べてまとめてみました。
目次
クサガメは外来種なのか?
クサガメってもともと日本に生息していた在来種であると言われていました。
しかしここ最近ではどうやらそうではないという説が出てきたのです。
その説によると、クサガメは江戸時代に中国や朝鮮半島から輸入された外来種なのでは、という見方が強くなっています。
ですので日本在来種であるニホンイシガメとの交雑種が出てくるなどの問題点も需要視されるようになってきているのです。
当然日本にもクサガメは存在していたようなのですが、現在ペットショップで販売され出回っているクサガメは日本産ではなく、中国や朝鮮などの大陸産であると言われています。
クサガメの生息地は?
クサガメは特に泳ぎが得意なカメとして知られています。
野生では主に、平地の流れが緩やかな川や池などに生息している傾向があり、イシガメと生息地を棲み分けているのだそうです。
ちなみにイシガメは流れが速い高地の川などに生息している傾向にあります。
クサガメは寒さに弱く、冬眠もする
クサガメは寒さに弱いので、高地には棲めないのだそうです。
寒さに弱いので冬には冬眠する習性もあります。カメは変温動物ですので、気温が下がれば活動できなくなるので仮死状態になって寒い冬をやり過ごします。
冬眠している間は水面に出てきて息継ぎをすることもなく、水中でじっとして過ごすのです。どうして息継ぎなしで生きていけるのでしょうか。
それは、カメには皮膚呼吸もできる独特の能力が備わっているためです。
しかしどんな場合でも皮膚呼吸できるわけではありません。
冬眠中に内蔵の活動をやめ、呼吸や脈拍も最小限にとどめている時に限って、ごくわずかな酸素を皮膚から直接取り入れるだけで生きていけるのです。
ゼニガメは小さいが注意が必要
クサガメの幼体がゼニガメですから、ペットショップで販売されているゼニガメはわずか5㎝程度しかありません。
幼体であればその程度の大きさが普通ですが、問題は幼体であるという事です。
つまりこれからもカメは成長し続けるのです。大人になったクサガメは体調20㎝以上にもなり、特にメスの場合は30㎝にも達する個体もいるようです。
オスよりもメスの方が大きくなる特徴をもつカメなのです。
クサガメの寿命はどれくらい?
鶴は千年亀は万年ということわざがあるように、カメはとても長生きな印象ですよね。
ではクサガメの寿命はどのくらいあるのでしょうか。どうやらカメはカメらしく、相当長いようですね。
平均しても20年以上は生きることが多いらしく、長いものだと40年もの間生きたという例もあるそうです。
こうなると、人生の半分の期間を一緒に過ごすことになりますよね。最後まで飼って面倒をいてあげられるか、という事を考えた上で飼育をするのが望ましいですね。
クサガメの名前の由来は?
そもそもどうして「クサガメ」と呼ばれているのでしょうか。
これには2つの説があるようですね。一つ目は「草亀」という説。もう一つは「臭亀」という説です。
草亀という名前の由来になった理由としては、顔の横にある模様が草によく似ているから、というものがあります。
確かに草に見えなくもないかと思います。
そして臭亀という説ですが、実はこちらの方がやや有力なのではないかと言われています。
クサガメは天敵に出会うと臭腺と呼ばれる器官から独特のクサイ臭いを出します。
このことから臭亀と呼ばれているというものです。
ではクサガメを飼育すると臭いのか、と思われがちですが、実はそんなこともありません。
クサガメがクサイ臭いを出すのは天敵に襲われた時だけですので、飼育しているだけではクサイ臭いを出されることは無いのです。
しかしクサガメを飼っているとすごく臭う・・という情報を見かけることがあると思います。
これはクサガメが原因なのではなく、飼育環境が汚れている事が原因ですので、勘違いしないようにしましょう。
クサガメは何を食べているの?
クサガメは雑食性のカメです。水草やコケ、果物を食べることもあれば、タニシなどの貝類や小エビ、昆虫、ミミズなどの動物性の餌も好んで食べます。
クサガメの数が減っている理由とは?
現在野生のクサガメの生息数が激減しているという情報があります。
これにはミドリガメの野生化が主な原因として挙げられています。
ミドリガメは外来種であるミシシッピアカミミガメの幼体で、良くペットショップに売られている緑色をした小さくかわいいカメです。
このミドリガメが成長し、飼いきれなくなった飼い主が逃がしたり捨てたりした結果、ミシシッピアカミミガメが激増し、日本在来種のイシガメやクサガメが追いやられてしまったというものです。
特に生息地が似ているクサガメの方が、イシガメよりも受ける影響は強いと言われています。現在では対策がなされているとはいえ、今後もミドリガメの影響を受けることは避けられないかもしれませんね。
ミドリガメに関しては、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
まとめ
ゼニガメはクサガメと呼ばれるカメの幼体を指す呼称です。
最初は5㎝程度しかありませんが、クサガメは20㎝、大きいもので30㎝にも達する個体もいます。
そのことを良く考えて飼育するようにしましょう。
また寿命もとても長い特徴があります。最低でも20年は生きると考え、飼育するか検討しましょう。
たまたま通りかかった香港のものです。
“そもそもどうして「クサガメ」と呼ばれているのでしょうか。これには2つの説があるようですね。一つ目は「草亀」という説。もう一つは「臭亀」という説です。”
とのことですが、草亀であってます。現に中国語や漢字を使うところではクサガメは「草龜」として知られています。珍珠(しんじゅ)龜とも言われてます、これはお店が子供受けを考えて作り上げた名前だそうです。
“クサガメってもともと日本に生息していた在来種であると言われていました。”
多分おっしゃる通り、クサガメはもともと中国産のカメだと思われます、英語圏での愛称がChinese Pond Turtleですしね。とは言っても、韓国と台湾も含めて、クサガメはアジアのいろんな国にとって馴染み深いカメになってます、”中国産”というよりは”アジア産”って言った方がより合ってる気もします。
突然のコメントで失礼しました、とても面白い記事でした!
今、最近話題のあの番組を観てて、昔飼ってたクサガメを思い出して検索したらこのサイトに来ました。
この番組でも外来種扱いでした。江戸時代に来たというならもう在来種でよくね?と飼ってた身には思うのですが、イシガメと混じってしまうと固有種がいなくなるとか色々あるんですね。残念ですが、日本の池にはふさわしくないようです。
コメントありがとうございます。
そうですね。
クサガメって日本にいる在来種ってイメージが強いですからね。
交雑種が増えてくるのはいかがなものかと思いますが、そうやって生き物は進化、変化していくのだと思います。
クサガメを飼育しはじめて、今年で32年目になります。
主の言うとおり、飼育するときはよく検討しましょう。
クサガメを飼って39年になります。我家にやって来た時点で甲羅が私の手の甲ぐらいの大きさだったので推定年齢は42~43歳の雌のクサガメです。甲羅の長さは、30センチ程度で犬のゲージの中に桶を入その中に水を入れ寝床も作って育ててます。10年以上前までは卵を産んでましたが、卵管が詰まり手術をしてからは卵を産まなくなり高齢の為冬場も冬眠させず、冬はヒーターを入れ年中、活動してます。狭い市営住宅の室内で飼ってるのと我々夫婦も高齢となり後、何年生きてくれるのか楽しみ半分、心配半分です!