私たちにとって最も身近な存在とも言える、肉食昆虫の代表格であろうカマキリ。
ただ単に「カマキリ」と言っても、実はたくさんの種類のカマキリが生息しています。
日本国内でも色んな種類のカマキリを見ることができ、その特徴も様々です。
そこで今回は、日本国内でよく見かける代表的なカマキリの種類やその特徴、また見分け方などについて詳しく調べてまとめてみました。
オオカマキリ
日本で生息するカマキリの中では最大であり、最もよく見かけるカマキリがオオカマキリでしょう。
最大サイズはオスで90㎜、メスだと100㎜に達する個体がいると言われています。
後述のチョウセンカマキリともよく似ていますが、こちらの方が大型です。
北海道から九州、対馬までほぼ全土で見ることができ、中国や台湾、はたまた東南アジアにまで生息しています。
チョウセンカマキリとの見分け方がやや難しいですが、見分けるポイントが2つあります。
一つは「鎌の付け根の部分が黄色いのがオオカマキリ、オレンジ色なのがチョウセンカマキリ」というもの。
もう一つは「後翅が褐色なのがオオカマキリ、透明なのがチョウセンカマキリ」というものですね。
チョウセンカマキリ
オオカマキリとよく似ていますが、やや小さくて、最大サイズはオスでも80㎜、メスでも90㎜くらいです。
分布は本土から沖縄まで生息し、北海道にはいないようです。
海外では中国や朝鮮半島にも生息しています。
オオカマキリとの見分け方は前述の通りで、「カマキリ」といえばこのチョウセンカマキリを指すことが多い印象です。
ハラビロカマキリ
最大サイズはオスで65㎜、メスで70㎜くらいの大きさです。
分布は関東以南に生息しており、東北や北海道など北部にはいないようですね。
その名の通り、腹部が他のカマキリに比べて幅広く、平べったいような特徴があります。
この特徴一つで見分けることができますが、鎌の内側に黄色い斑点模様が左右3つずつあるのも特徴的です。
その他にも、翅に白い班模様があるので簡単に見分けられますね。
私個人的には、このハラビロカマキリが何だか可愛くて、最も好きなカマキリですね。
また、カマキリと言えばハリガネムシに寄生される事でも有名ですが、ハリガネムシがよく寄生しているのはこのハラビロカマキリでることが多いのです。
なお、ハリガネムシに関しては、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
コカマキリ
本州から沖縄まで生息している小型のカマキリです。
色は褐色で、稀に緑色のものもいるようですが見分ける事は容易だと思います。
鎌には赤、白、黒の独特の模様がありますので、ここを見てみるとコカマキリかどうかを判断できますよ。
大きさは40㎜から最大でも65㎜程度にしかならない、可愛らしいサイズのカマキリです。
ヒメカマキリ
あまり知られていないカマキリかもしれませんね。
本州、四国、九州に生息しているカマキリで、色は褐色が強く、落ち葉などによく似た色をしているため、襲われた際に擬死してやり過ごす習性もあります。
大きさは25㎜から30㎜とコカマキリよりも小型になります。
ヒナカマキリ
ヒメカマキリも小さいのですが、ちょっと待ってください。
もっと小さいカマキリがいました!
それもヒナカマキリという種類です。
その大きさはなんとわずか18㎜から20㎜程度しかありません。
500円玉にも満たないサイズの超小型カマキリで、稀にカマキリの幼虫と間違われることがあるようですね。
国内での分布は本州、四国、九州、対馬、奄美大島で、北海道にはいないようです。
また海外では台湾と韓国に生息しているようです。
カマキリの卵鞘には通常200ほどの卵が入っているほが普通ですが、本種の場合はわずか10個程度の卵しか入っていないと言われています。
ウスバカマキリ
最も生息数が少ない、レアなカマキリだと言えるのがウスバカマキリでしょう。
北海道、本州、四国、九州と意外と幅広く分布していますが、個体数が少なく、県によっては絶滅危惧種に指定されているところもあります。
大きさは45㎜から65㎜くらいの大きさで、何といっても色が奇麗な緑色をしていて、他のカマキリと比べても抜群に清楚な印象があるのではないでしょうか。
また淡緑色以外にも茶色い個体も存在します。
見た目はオオカマキリと見分けがつかないような容姿をしているのですが、大きさでの判断の他にもよく見ると独特の特徴があり、見分けることができます。
ポイントは1つで、鎌の付け根の部分に黒い斑点模様がある場合、ウスバカマキリになります。
稀に黒い斑点の中央が白くなり、模様がリング状になっている個体もいるようですね。
まとめ
いかがでしょうか。
日本国内でも、これだけの種類のカマキリが生息しているんです。
もちろん、ここでは紹介しきれなかったその他のカマキリもたくさん存在します。
また海外には、変わった形や容姿をしているものや、美しいカマキリも生息しています。
海外の美しいカマキリである「ハナカマキリ」に関しては、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。