
ラッコというと、どんなイメージがありますか?
水にプカプカ浮いて、お腹の上で貝を割って食べる・・
そんなイメージではないでしょうか。
そんなラッコですが、いったいどのような生態をしていて、どういった特徴があるのでしょうか。
また、人間とのかかわりについても併せてご紹介していこうと思います。
目次
ラッコってなんの仲間?
ラッコの分類は。イタチ科カワウソ亜科ラッコ属という分類をされています。
つまり、大きい括りでは「イタチの仲間」ということになり、もっと細かく分類すると「カワウソの仲間」ということになりますね。
確かに見た目はカワウソによく似ていますよね。
本当に同じ仲間なのでしょうか。
実は数百万年前の太古のイタチ科の動物で、川で獲物を捕るようになったものはカワウソの祖先となり、また海で獲物を捕るようになったものがラッコの祖先である、ということらしいのです。
住む場所に応じて、それぞれ川や海に適した進化をしたのです。
またカワウソは英語で「Otter」ですが、ラッコは英語で「Sea Otter(海のカワウソ)」と呼ぶことからもこういったことが伺えますね。
ちなみに、カワウソに関しては、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
ラッコの寿命は?
野性下のラッコの寿命は、およそ10年~20年くらいで、一般的にオスの方がメスよりも短命の傾向にあるようです。
ラッコの生息地は?
ところで、ラッコはどこに生息しているかご存知ですか?
ラッコは水温2℃~4℃くらいの低い水温の海域に生息しています。
分布はアラスカ、カリフォルニアなどの北太平洋沿岸、日本では択捉島、千島列島などの寒い地域に分布します。
ラッコは絶滅危惧種?
ラッコは絶滅危惧種に指定されている、一時期数千頭にまで生息数を減らしてしまった動物でもあるのです。
ラッコはその昔、毛皮を取るために乱獲されてしまい、かつては30万頭ほどいたラッコが、わずか数千頭にまで減少してしまいました。
さらに1989年には、アラスカ湾にて4000万リットルもの原油が流出する事故が発生。
この事故により、ラッコだけでもおよそ6000頭が死んでしまった、という悲しい過去があるのです。
現在では保護活動も行われており、その数を徐々に回復してきてはいるものの、いまだ絶滅危惧種という枠からは抜け出せて位に状況にあります。
ラッコの体の特徴
ラッコは生活の大半を冷たい水の上で過ごします。
沈んだり、凍死したりしないのでしょうか。
それにはラッコの持つ「豊富な毛」に秘密があるのです。
ラッコにはおよそ8億本もの毛が密生して生えています。
これは人間の髪の毛の10倍もの本数であり、これらの毛の隙間に空気の層を上手く作っていて、これのお陰で水に浮いていることができるのです。
またこの空気の層は断熱材の代わりにもなる為、冷たい水に体温を奪われにくい体の仕組みになっているのです。
ちなみに暖かい地域の海に行くと、毛の間の空気の層が膨張し、毛が抜けてラッコが沈んでしまうのだそうです。
ただ寒さ対策のための豊富な毛、というわけではないのですね。
またラッコはとてもきれい好き、という事を聞いたことがありませんか?
これにもちゃんとした理由があり、ちゃんと毛のお手入れをしないと、毛の間にゴミが溜まってしまうのです。
常に毛づくろいしているのは、大切な毛を守るためだったのです。
ラッコの手は器用に物を掴むことができ、餌をしっかり持って食べることができます。
後ろ脚の指の間には水かきが付いており、泳ぎやすいつくりになっています。
ラッコは大食らい!?
寒い地域に棲むラッコは、体温を維持し続けるために常に何かを食べて体温を上げ続けなければなりません。
このため、一日でラッコが食べる餌の量はなんと体重の4分の1だと言われています。
ラッコの体重は15㎏~45㎏くらいですので、およそ10㎏もの餌を毎日食べなければ生きていく事はできないのです。
これはカロリーに換算すると、なんと5000キロカロリーにもなるそうです。
成人男性の一日の消費カロリーはおよそ2000キロカロリーですよね。
そう考えると、ラッコがいかに大食らいであるかが伺えますよね。
ラッコの餌は?
ラッコは肉食性です。
海に棲むので、餌は専ら貝や海藻、ウニなどになります。
アワビなんかも食べるといいますから、結構いいものばかり食べてるんじゃ・・
なんて思ってしまいました(笑)
餌は水中で捕ってきて、水面に持ってきてから食べます。
貝などの餌は、お腹の上で石を使って割ってから食べます。
この貝の殻を割る姿がとても可愛く、有名ですよね。
またラッコは海に棲む割には泳ぎが苦手です。
ですのですばしっこく動く魚は捕らえられないので、貝などの動きが鈍い餌を主に食べているのです。
ラッコは石にこだわりがある!?
ラッコは自分専用の気に入った石を使って貝を割っているそうですよ。
ラッコはその辺にある石を使って貝を割るのではなく、自分のお気に入りの石を常に持っているのです。
ラッコの脇には石をしまっておけるポケットのようなスペースがあり、ここに常にお気に入りの石を持っているのだとか。
そのこだわりは凄くて、良い石を見つけると、他のラッコに石の自慢をするくらいだと言われています。
また、そんな石を無くしてしまった時には、餌を食べなくなってしまうくらいにひどく落ち込んでしまう、とも言われています。
石を無くして落ち込んでいるラッコって何だか可愛いですよね。
ちなみに、人間やチンパンジーなどの霊長類以外の動物で、道具を使う生き物はラッコだけだということらしいです。
カラスなんかもけっこう賢いですが、道具を使うとまではいかないようですね。
ラッコが見れる水族館は?
現在日本国内でラッコが見れる水族館は以下の通りです。
まとめ
ラッコはイタチの仲間であり、カワウソとも先祖が同じ、近しい仲間なのです。
ラッコが寒い海の中で生活できているのには、体に密生して生えている豊富な毛に秘密があります。
またラッコといえば石で貝を割る姿ですが、ラッコが持っている石にはこだわりがあり、お気に入りの石を常に持っているのです。
ラッコを見に行った際には、ぜひよく観察してみて下さいね。