日本には多くの小エビが生息しています。
有名どころなのがヤマトヌマエビとミナミヌマエビがいますよね。
どちらもアクアリウムをやっている人であれば必ず知っている、水槽の掃除屋さんです。
今回ご紹介するエビは、これらのヌマエビとよく似ているけれど、実際には全く違う種類のエビです。
名前は「スジエビ」。
いったいどんなエビなんでしょうか。
またヌマエビ同様、メダカなどの魚との混泳は可能なのかどうかも詳しくご紹介していきます。
スジエビはテナガエビの仲間
スジエビは見た目はヤマトヌマエビとよく似ている姿をしていますが、実際には全く別のエビの仲間です。
テナガエビの仲間ですので、テナガエビの子供はスジエビにすごくよく似ていますよ。
テナガエビらしく、よく見るととても長い手とハサミを持っているのがわかると思います。
また名前がスジエビという事から、体に横方向に黒い帯状の筋が入っているのが確認できます。
凄く特徴があるエビなので、見つけたり捕ってきたエビがスジエビかどうか簡単に確認することができますよ。
どこにでもいるスジエビ
日本全国、どこにでも見られるのがスジエビです。
釣りの餌としても良く用いられるエビですので、大量に餌として販売されてもいます。
また汚いドブ川でも生息できるくらいに丈夫なエビですので、水辺をよく探してみるとすぐに見つかるでしょう。
スジエビには種類があって、一生を淡水で生活しているスジエビと、近縁種で海で繁殖するタイプのイソスジエビというものがいます。
スジエビはメダカとの混泳はできる?
よくある疑問の一つに、スジエビとメダカを一緒に入れて良いのか、という疑問でしょう。
たくさん見つけることが出来るエビなので、コケ取り要員として一緒に飼育できればいいですよね。
しかし、これに関しては少し慎重になった方が良いと言えます。
その理由はスジエビの食性によりますので、以下で解説していきます。
スジエビは肉食性!?
スジエビはヤマトヌマエビやミナミヌマエビとは違い、肉食性が強い雑食性です。
つまり苔などの植物をほとんど食べないとも言えます。
普段は小さな水棲昆虫や貝類、ミミズなどの水中にいる小さな生き物を餌として食べています。
死んだ魚にも群がって好んで食べたり、弱っている魚にも襲い掛かるといった獰猛さも併せ持っています。
また餌が不足してくると、苔も食べない事は無いようなのですが、あまり期待できるものではありませんね。
さらに水槽にをたくさん入れると、簡単に共食いしてしまうエビでもあります。
食性はザリガニに通ずるものがあると言えますね。
ヤマトヌマエビやミナミヌマエビなどのヌマエビとは違って、このように肉食性が強いので、メダカなどと混泳させる場合は食べられてしまう事も想定しなければならないでしょう。
稀にあるのが、(結構あるかも?)買ってきたミナミヌマエビにスジエビが混ざっていたというものです。
スジエビは他のエビを捕食することもありますし、ミナミヌマエビの稚エビはスジエビの格好の餌となります。
一緒に入れたままだと、ミナミヌマエビが繁殖できないという事も起こり得ます。
鑑賞、観察するには向いているエビ?
スジエビはとにかく活発に動くエビです。
スジエビ自体は夜行性なのですが、昼間にも関係なく活発に動き回って餌を探しています。
ヤマトヌマエビやミナミヌマエビは水槽の端っこや底でじっとして苔をツマツマしているか、物陰に隠れている事が多いのですが、スジエビは良く動くので観賞するには良いのではないでしょうか。
じーっと鑑賞しているとなかなか面白い動きをしますし、可愛らしいものがあります。
スジエビの飼育方法
スジエビを単体で飼育したいという場合には、水槽にあまりに過密にならない程度に入れておくくらいの注意で簡単に飼育する事ができます。
餌は何でも食べますが、エビやザリガニ用の餌を与えておけばよく食べます。
メダカ用の餌も取りに来てよく食べていますので、餌をどうするかで困る事はないでしょう。
総評、まとめ
スジエビを水槽に入れても良いのか、という疑問に関しては、「入れても構わないのでは?」というのが私の考えです。
苔を全く食べないというわけでもないですし、良く動きますので観賞にもピッタリです。
確かに肉食ですのでヌマエビと比べると獰猛に見えるかもしれませんが、私が見たところではそんなに獰猛でもないような印象です。
魚の糞もすぐに食べてくれますし、死んだ魚がいれば速やかに食べてくれますので、水質悪化防止にも一躍買ってくれているのも事実です。
どこにでもいますし、すぐに捕まえてくることもできますし、買う場合でもとても安価な値段で販売されています。
ただし他のヌマエビと一緒に入れるのは避けた方が良いでしょう。
ヌマエビと比べて大きいので、ミナミヌマエビならあっという間に食べられてしまう可能性もあります。
また小さな魚と一緒に飼育するのであれば避けた方が良いでしょう。
淡水でも繁殖可能なエビですので、繁殖も見てみたいという人にも良いのではないでしょうか。
ちなみに、ヌマエビに関しては以下の記事でも詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。