トガリネズミ

トガリネズミというネズミがいるのをご存知ですか。
聞いたことのない名前だという人もいるかもしれませんが、日本にも生息している動物でもあるんですよ。
今回はそんなトガリネズミの中でもちょっと面白い種類のトウキョウトガリネズミについて詳しくご紹介していこうと思います。

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世界最少クラスの哺乳類

小さい哺乳類動物は世界にたくさん生息していますが、このトウキョウトガリネズミはその中でも世界最小クラスと言われています。
トガリネズミの仲間はたくさん生息していますが、日本に生息しているトガリネズミは大きさ約5cm、しっぽの長さは3cmほど7しかなく、体重はなんと2gという衝撃的な軽さです。1円玉2枚分しかないなんて、さすがにちょっとびっくりしてしまいますよね。

他にもピグミージェルボアというトビネズミが小さい哺乳類として有名ですが、ピグミージェルボアの体重は5gくらいありますので、トガリネズミがいかに小さいかが分かりますよね。まぁ、どちらも500円玉に乗っかってしまうくらい小さいのは同じなんですけどね。

ちなみにピグミージェルボアに関しては、以下の記事でも詳しくご紹介していますのでぜひご覧ください。

ピグミージェルボアの販売価格は?飼育方法も!

トガリネズミはネズミじゃない!?

トガリネズミという名でありながら、実はネズミの仲間ではないというのも面白い所です。見た目は完全に小さいネズミという感じなのですが、実はモグラの仲間なんです。よく見て見ると、モグラらしいとがった鼻先を持っているのがよくわかります。

ネズミと名のつく動物でもネズミじゃない動物は他にもいます。有名なものではハリネズミがそれに当たります。ハリネズミもネズミと名が付きますが、実はこれもモグラの仲間に分類されます。見た目は完全にネズミに近いのに、北海道ではトガリネズミの事をモグラと呼ぶ地域もあるのだそうです。もうどっちでもいいような気さえしますよね。

トガリネズミの生態

見た目はまるでネズミです。というのも、ネズミのような細くて長いしっぽがあるのが特徴的です。餌となるものは主に小さな虫です。湿原周辺の草原に生息しており、コオロギやクモなどを好んで捕食します。

体が小さいが故に、結構な頻度で餌を食べなければならず、2時間おきに餌探しをしては食べ、休むを繰り返しているんです。実際に罠にかかったトガリネズミを餌のない状態のまま2時間放置すると、多くのトガリネズミは死んでしまうのだそう。なのでトガリネズミを生け捕りにする場合、仕掛けた罠を1時間~2時間おきに見回る必要があるという事ですね。

トウキョウトガリネズミをの寿命

トウキョウトガリネズミをの寿命はおよそ1年~1年半くらいで、ドワーフハムスターのように短い寿命です。
これだけ小さい動物ですから、実際にはもっと早くに死んでしまう個体も多いことでしょう。

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トウキョウトガリネズミの名前の謎

トウキョウトガリネズミというトガリネズミが日本に生息しています。名前からすると東京にいてるような印象を受けがちですよね。でもこのトウキョウトガリネズミは東京に生息しているわけではありません。北海道に生息しているんです。でもなぜ、そんな名前になっているのか気になりますよね。

1903年にトウキョウトガリネズミを初めて発見した人がホーカーという名前の外国人でして、トウキョウトガリネズミの標本に「蝦夷(yezo)」と表記するべきものを、間違えて「江戸(yedo)」と表記してしまった事が原因だといわれています。江戸は今でいうところの東京にあたりますから、トウキョウトガリネズミという名前になったということですね。

一度名付けられた名称を変更するのは結構大変なことらしく、それ以来修正がなされていないため、現在でもトウキョウトガリネズミという名前のままになっているんです。

トウキョウトガリネズミを飼育することはできる?

結論からいうと、飼育すること自体は特に禁止されているわけでもありませんから可能です。ただし、飼育するべきではない生き物であることは確かでしょう。その理由は簡単で、「すぐ死んでしまうから」です。

トウキョウトガリネズミは代謝が良くて頻繁に餌を食べなければすぐに餓死してしまいます。2時間おきと記述しましたが、実際には数十分餌を食べないでいるだけで死んでしまう個体も多いんです。つまり餌となるコオロギを常に食べられる状態にしておかなければいけないという事になりますね。

コオロギをたくさん飼育ケースに入れておくことは容易でしょう。しかしたくさんのコオロギを入れていると、逆にトウキョウトガリネズミが食べられてしまうこともあります。コオロギをそれだけたくさん与え続けるとなると、それだけランニンフコストも掛かってしまいます。それに餌だけの世話につきっきりになるのは時間的にも難しいでしょう。

1日に必要な餌の量ですが、およそ体重の2倍~4倍くらいと考えてよいでしょう。2g程度のトガリネズミのエサでも8gくらいのコオロギが毎日必要になる計算です。コオロギ1匹10gというサイズのものも多い中で、1日に何度も食べることを考えるともっと小さいサイズのコオロギが何匹も必要でしょう。

またトウキョウトガリネズミは北海道に赴いて捕まえてくるくらいしか入手方法がないため、そう簡単に入手することも難しいでしょう。
以上の理由から、トウキョウトガリネズミをのをペットとして飼育するのはやめておいた方が無難と言えますね。