ミジンコ

世の中には数多くの微生物と呼ばれる、小さな生き物たちが生息しています。

ミジンコもそんな微生物の一種で、とても有名どころですね。

漢字で書くと「微塵子」とも表記されます。

小学校の理科の授業で顕微鏡を覗いて観察した経験がある人も多いのではないでしょうか。

そんなミジンコですが、近年では熱帯魚やメダカなどを始めとする、ペット用の観賞魚の餌としても注目を浴びています。

どうしてそんなに注目を浴びるのでしょうか。

また、ミジンコといっても一種類しかいないわけではありません。

いったいどれくらいのミジンコがいるのでしょうか。

また、ミジンコの繁殖はどのようにして行われているのでしょうか。

今回は有名だけどあまり知られていない生物、ミジンコについて詳しくご紹介していこうと思います。

 

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ミジンコの種類は?

一口にミジンコといっても、一種類しかいないというわけではないのです。

ミジンコにもいくつかの種類が存在します。

有名どころでは、

ミジンコの種類
  • カイミジンコ
  • ケンミジンコ
  • オオミジンコ
  • タマミジンコ
  • マルミジンコ

などが生息しています。

 

有名なのはタマミジンコ

一般的にミジンコとして有名なのは「タマミジンコ」だと言われています。

メダカなどの餌に用いられるミジンコはこのタマミジンコが主流で、他のミジンコが餌として用いられている事は稀です。

というのは、ミジンコ自体の餌の管理が面倒だという理由であったり、そもそも動きが俊敏なため、餌として相応しくないなどの理由があります。

 

ミジンコはエビやカニの仲間!?

ミジンコ自体は実は「甲殻類」に分類される生き物になります。

つまりエビやカニなどのように、殻で体が覆われているという事です。

とは言っても、その殻は体が透明に透けて見えるくらいに薄いものであり、もちろんエビやカニのようにがっつりとした殻を持っているというわけでもないです。

 

メダカの餌として相応しくないミジンコとは?

特にカイミジンコは、その名の通り二枚貝のような殻を持っており、他のミジンコたちと比べると殻が固めであるという特徴を持っています。

ですのでメダカの餌としてはあまり相応しくないと言われています。

 

また、ケンミジンコは動きが俊敏であるという特徴をもっています。

動きが俊敏すぎると魚にとっても捕食が困難になり、これまた餌として相応しいとは言えないのです。

 

さらに、ケンミジンコとカイミジンコの特徴として、「肉食性である」という特徴をもっています。

性格には肉食寄りの雑食性ということになります。

動物プランクトンや他のミジンコなども餌とするため、餌の安定的な確保がやや困難になります。

 

餌として相応しいタマミジンコ

一方で、タマミジンコは草食性のミジンコで、餌となるのは植物プランクトンなどです。

植物プランクトンは増やすのが比較的容易なため、ミジンコの養殖も容易に行えます。

またケンミジンコのように俊敏であるというわけでもありませんし、殻も比較的柔らかいという特徴をもっているので、捕食も容易に行えます。

メダカの餌として選ぶならタマミジンコ一択になるでしょうね。

 

ただし、小さすぎるメダカの稚魚の餌としては向きません。

というのも大きさは1ミリ程度ですが、それでも生後1か月のメダカの餌としては大きすぎるのです。

餌にするのであれば、生後1か月経過した稚魚に与えるようにしましょう。

もちろん成魚の餌としても最適です。

 

なお、メダカの飼育に関しては以下の記事でも詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

 

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ミジンコの繁殖方法とは?

ミジンコはなんとそのすべてが基本的には「メスしかいない」のです。

もちろんオスがいないわけではないのですが、基本的にはメスのみです。

 

ミジンコはクローンのように増えていく「単為生殖」と呼ばれる繁殖方法が一般的です。

つまり、1匹のメスがいればどんどん増えていく事が可能なわけです。

この単為生殖でミジンコが産んだ卵はすべてメスになります。

ただし、単為生殖が行われるのは、安定した良い環境にいる場合のみです。

劣悪な環境で繁殖せざるを得ない場合には、この限りではありません。

 

単為生殖でメスが産む卵は、比較的弱いものです。

ですので劣悪な環境では卵は育たず、繁殖することは難しくなります。

そこでそんな劣悪な環境でも育つことができる強い卵を産む必要が出てきます。

この強い卵を作るためにはオスの力を借りなければならず、オスが生まれることになります。

劣悪な環境においてメスは特別に生まれたオスと交尾を行い、強い生命力を持った卵を産み、子孫を残していくわけですね。

これを単為生殖に対して、「有性生殖」と呼びます。

 

とはいえ、ミジンコをわざわざ飼育するといった場合は、さすがにミジンコが全滅するほどの劣悪な環境で飼育することは無いかと思います。

ですので、ある程度良い環境が整ってさえいれば、勝手に単為生殖によって爆発的に増えてくれます。

ミジンコにとって良い環境とは、餌となる植物プランクトンが豊富にいる水の中です。

植物プランクトンが大量に湧いた水は色が緑色に変色し、まるで緑茶のような見た目になります。

これを「青水」もしくは「グリーンウォーター」と呼びます。

このような水がミジンコにとって最適な環境だと言えるでしょう。

ミジンコを単に飼育する場合は、植物プランクトンが湧いたグリーンウォーターを常に用意しておき、そこで飼育すれば安定してミジンコを確保できますよ。

 

ミジンコの採集方法と飼育方法

ミジンコを採集する方法や飼育方法、餌やり等に関しては以下の記事でも詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

 

まとめ

ミジンコの種類はいくつかに分類されており、一種類しかいないというわけではありません。

一般的にメダカなどの観賞魚の餌として用いられるミジンコは「タマミジンコ」と呼ばれているミジンコです。

 

ミジンコの繁殖方法は基本的にメスのみで行われる単為生殖です。

1匹でもミジンコがいれば簡単に増やすことができます。

ただし、劣悪な環境においては特別にオスが生まれ、有性生殖によって繁殖するという特殊な繁殖方法を取るのが特徴的です。

ミジンコにとって良い環境である植物プランクトンが豊富なグリーンウォーターを用意してあげれば、とても簡単にミジンコを繁殖させることができますね。