ヤモリと言うと、どんなイメージを持たれていますか?
夏になると網戸や窓ガラスに張り付いて蛾などの虫を食べている、なんか気持ち悪いな・・という印象を持っている方も多いのではないでしょうか。
そんなヤモリですが、実は縁起のいい生き物だという事をご存知ですか?
またヤモリって飼育知ることができるのでしょうか。
今回はヤモリについて、ヤモリにまつわる縁起話や、ヤモリの飼育方法などを詳しくご紹介していこうと思います。
目次
日本で見られるヤモリ
ヤモリは一般的な家庭でも普通に見られる、特に珍しくもない生き物ですよね。
日本でよく見られるヤモリは「ニホンヤモリ」と呼ばれているヤモリです。
しかしこのニホンヤモリ、実は日本固有のヤモリではないという事をご存知でしょうか。
名前はニホンヤモリですから、てっきり日本固有種だと思われがちですが、実はユーラシア大陸から入ってきた外来種だそうですよ。
いつから日本に定着したのかという情報は不明とされているようですが、これは意外な事実ですよね。
ニホンヤモリの生態
ニホンヤモリは10㎝~14㎝程度の大きさで可愛らしいサイズで、民家の窓ガラスなどでもよく見かけることがあります。
夜行性で、足の裏に吸盤のような構造になっており、あらゆる壁に張り付いて移動することができるのが最大の特徴でもあります。
餌となるのは小さな虫で、蛾やクモなどが一般的ですね。
尻尾はトカゲのように危険を察知すると自切を行い、逃げやすくなっています。
ちなみに切れた尻尾は再生することが出来る点も、トカゲと同じですね。
ただし完璧に元通りになるというわけではなく、再生した尻尾はやや短くなるようですね。
縁起の良いヤモリ
ヤモリは漢字で書くと「家守」と表記され、その名の通り家を守ってくれていると信じられてきました。
これは単なる迷信ではなく、本当であるという事もできる事実があるのです。
実際に民家ヤモリが住み着くと、どうなるのでしょうか。
ヤモリは家の害虫となる、蚊やハエ、クモ、白アリなどといった虫を食べてくれますよね。
ヤモリは害があるというよりはむしろ都合が良い、守り神のような存在だったということなのです。
昔の民家は木造建築ですから、特に白アリなどは家を破壊してしまう厄介な害虫です。
これを知らず知らずのうちに退治してくれるわけですから、ヤモリが住み着くことは、人間にとっては嬉しいことだったのです。
また、富の象徴とも呼ばれてきました。
これにもわけがあり、ヤモリは夜行性ですので明かりに集まる習性がありますよね。
昔は明かりがある民家はお金持ちに限られていましたから、ヤモリがでる家と言うと「お金持ち」というイメージがあったようなのです。
ヤモリがいるからお金持ちというわけではなく、単に明かりに集まって来ていただけという理由なのですが、なんだか納得してしまいますよね。
ヤモリは飼育することができる?
ヤモリは飼育するのに難しい事は特になく、簡単に飼う事ができます。
また毒があるわけではなく、噛まれても痛くないので危険性も全くありません。
むしろ、ヤモリのアゴはとても弱く、人間に噛みついた場合、顎がケガしてしまうくらい弱々しいものですので、噛まれた人間がケガをしてしまう事はあり得ません。
ヤモリの寿命は?
ヤモリの寿命は意外と長く、10年以上生きる事も多いと言われています。
少なくとも数年間は飼育することになりそうですね。
ヤモリを飼うために必要なものは?
ヤモリの飼育に必要なものは何でしょうか。
順番に見ていきましょう。
飼育ケース
昆虫飼育用のプラケースでも十分飼育することができます。
一番手頃ですし、最も簡単な飼育ケースでしょう。
または水槽という方法もありますね。
レイアウトがしやすいんどというメリットがありますし、見た目にきれいです。
しかし日々のお手入れが少し大変という特徴もあります。
最もスタイリッシュで見栄えが良いのは、爬虫類用の飼育ケージを利用する方法ですね。
様々な機能が付いているものがありますので、保温の際にヒーターも設置しやすく、見た目にもカッコイイのでおススメですね。
ただしかなり高価なものが多く、お手軽に飼育したい場合にはあまり向きませんね。
どの飼育ケースにも言えることですが、ヤモリは壁を登って移動できますので、脱走防止のために蓋はしっかりしたものを用意しておく必要がありますね。
床材
床材は土などを入れることもできますが、基本的に不要です。
衛生管理のために「キッチンペーパー」を敷いておく方法が簡単でおススメです。
ヒーター
ヤモリは気温が低くなると冬眠してしまいます。
冬眠自体は自然の行為なのですが、しっかりと冬眠の準備をしてから冬眠しないと、そのまま死んでしまう事がほとんどです。
飼育下においては冬眠は刺せない方が無難だと言えるでしょう。
冬眠を回避するには、ペットヒーターが必要です。
色んなタイプがありますが、「暖突」シリーズのヒーターであれば簡単にスタイリッシュに保温することができますのでぜひチェックしてみて下さいね。
またはお手軽に済ませるのであれば、ちょっとパワーが心配ですが、シートタイプのパネルヒーターが良いでしょう。
温度は25℃前後に調整しておけばずっと冬眠させずに飼育し続けることができます。
餌
餌は「生き餌」が必要になります。
ヤモリは生きた餌しか食べない習性がありますので、生きている虫を与える必要があります。
餌は餌用に販売されているコオロギなどを与えておけばOKですが、大きすぎるものは食べられませんので、ヤモリの頭より小さめの餌を用意してあげましょう。
上手く食べられない事がありますので、そういう場合はコオロギの後ろ足を取り除いてから与えるなど工夫してみて下さい。
水飲み場
ヤモリは水飲み場から水を飲まない個体が多く、そのような個体の場合はこれは不要です。
水分補給は飼育ケース面についた水滴などを舐めて摂取しますので、ときどき霧吹きで飼育ケースを濡らしてあげると良いでしょう。
シェルター
隠れ家になるシェルターがあれば良いですね。
隠れられるものなら何でもよいですが、爬虫類専用のシェルターなるものも販売されていますので、利用してみてもよいでしょう。
ヤモリの入手方法
ニホンヤモリは爬虫類専門店などやペットショップでも販売されていることがありますが、結構高価ですので、捕まえて飼育するのが良いかと思います。
どうしても捕獲が困難な場合は、専門店などをあたってみて下さい。
イモリとヤモリの違い
ヤモリに似た生き物に、「イモリ」という生き物がいます。
両者は全く異なる生き物ですが、しばしば混同されがちですね。
そんなイモリとヤモリの違いについては、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
ペットとして有名なヤモリ
実はペットとして有名なヤモリもいるんです。
そのヤモリの名は「ヒョウモントカゲモドキ」。
トカゲモドキですから実際にはトカゲではなく、ヤモリの仲間になります。
爬虫類飼育の入門種としても有名な同種ですので、一度チェックしてみる価値はありますよ。
なお、ヒョウモントカゲモドキに関しては、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
まとめ
ヤモリは昔から縁起の良い生き物として伝えられてきました。
実際のヤモリは毒などはなく、私たちが持っているヤモリのイメージとは、ちょっと違うようですね。
また飼育することもできますが、餌の調達がやや大変になりそうですね。