秋に鳴く虫は日本にたくさん生息していますが、カンタンという昆虫も秋に鳴く虫の一種です。
しかし秋に鳴く虫に代表格であるスズムシに比べると、知名度はあまり高くなく、ほとんど知らないという人も多いのではないでしょうか。
そこで今回はそんなカンタンの生態や、飼育方法のポイントやコツなどを詳しく調べてまとめてみました。
目次
カンタンってどんな虫?
カンタンの種類
カンタンは漢字では「邯鄲」と表記されます。
読めませんね(笑)
日本には5種類のカンタンの仲間が生息していますが、どれも姿形がよく似ており、専門家でないと同定は難しいとの事。
その5種類のカンタンは以下の通りです。
・カンタン
・ヒロバネカンタン
・インドカンタン
・チャイロカンタン
・コガタカンタン
姿は似ていても、鳴き声が全く違うという特徴があるようですね。
ちなみにここでは一般的な種の「カンタン」について記述していきます。
カンタンの体
大きさは11㎜~20㎜くらいで、スズムシとほとんど同じ大きさでしょうか。
ただ、体の色は美しい黄緑色をしているのでスズムシよりも見た目は派手ですね。
また葉っぱの上にいることが多い樹上性の昆虫ですので、なかなか見つけるのは難しいのではないかと思います。
カンタンの飼育方法
それではカンタンの飼育方法について詳しく見ていきましょう。
まずは必要なものから。
飼育ケース
これがないと始まりませんが、カンタンの場合は縦に長い飼育ケースが望ましいです。
というのも、カンタンはクズやヨモギ、ススキなどの草を棲み処とし、餌としているため、これらをケース内に植え込む必要があるからです。
普通のプラケースは横に広いタイプのものばかりですよね。
そんな縦長のケースなんてあるのかよ・・と思いますよね。
それがあるんですよね、便利なものが。
カンタン飼育にはうってつけとも言うべき飼育ケースですので、一度チェックしてみて下さい。
飼育マット
カンタンは樹上性ですので、飼育マットというよりはカンタンの棲み処や餌となるヨモギを植え込むための土をいれましょう。
ヨモギは丈夫ですので大体の土であれば問題ないですが、昆虫を飼育することを考えると、雑菌などがいると具合が悪いです。
よって、園芸用に販売されている「赤玉土」や「黒土」を買ってきて使うと良いでしょう。
ヨモギ、クズ、ススキ
カンタン飼育にとって欠かせないのがヨモギです。
クズやススキでも良いのですが、飼育ケースに収まるサイズのものと言えばヨモギがベストだと考えます。
生きたヨモギが必要ですので、採ってきて飼育ケースに植え替えましょう。
多めに植えてあげるとカンタンにはありがたいようですね。
後に産卵、繁殖させるのであれば、茎が太めのものを選んでおきましょう。
餌
カンタンは肉食傾向が強い雑食性です。
自然界のカンタンは主に「アリマキ」を餌として取れて食べています。
アリマキとは言わば「アブラムシ」です。
テントウムシもアブラムシを食べることで知られていますよね。
あれと同じということです。
他には前述のヨモギなどの草も食べています。
雑食性だからヨモギだけでいけるのでは?と思う人もいるかもしれませんが、カンタンの成長に必要なものは動物性の餌です。
動物性の餌を与えないでいると、カンタンの幼虫は死んでしまいますので、必ず動物性の餌も与える必要があるのです。
飼育下における動物性の餌は、金魚の餌が簡単に手に入ります。
スズムシの餌でも代用できますが、情報によるとスズムシの餌では寿命が短くなってしまうとの事。
どの程度かは定かではありませんが、入手が簡単ですし、食べるのであれば問題ないのではないかとも考えます。
ナスやキュウリなどスズムシの餌として有名なものも与えることが出来ます。
またバナナやリンゴなどの糖分を多く含んだ果物も大好物ですので、併せて与えると良いでしょう。
カンタンの場合、ナスやキュウリの上に金魚の餌を粉末にして、まぶしてやったものを与えると良いです。
産卵、繁殖
カンタンの産卵はスズムシのように土中に行わずに、ヨモギの茎の中に産み付けられます。
産卵には生きた茎の太いヨモギが必要ですので、用意しておきましょう。
餌として既に用意してあるのであれば、そのままでも産卵、繁殖は可能です。
しかしスズムシに比べて繁殖は難しいので、初めての人には難易度が高いかと思われます。
カンタンの鳴き声
カンタンの鳴き声は「ルルルルルルルル・・・」と連続して鳴く鳴き方をします。
印象は結構やかましいかもしれませんね。
カンタンを鳴かせるために注意すべき事があります。
それは「カンタンのオスを単独で飼育する」ということです。
鳴かせたいのであれば、これは要注意のポイントとなります。
オスを複数匹飼育ケースに入れると、お互い干渉し合い、鳴かなくなるという現象が起きます。
他のオスが鳴いていると、わざわざ鳴いているのを邪魔しに行くほどです。
しかもお互いに攻撃し合い、共食いしたりと良くありませんのでオスは単独飼育すべきなのです。
たくさん鳴かせたいから、オスをたくさん飼育ケースに入れる、という事ができません。
たくさん鳴かせるのであれば、オス単独の飼育ケースをたくさん用意する必要があるのです。
カンタンの販売店
カンタンの入手方法としては、野外採集か専門店で購入する方法がります。
一般的なホームセンターやペットショップなどでは販売されていない事が多いですので、インターネットで専門店を探した方が良いですね。
カンタンは結構高価で取引されています。
幼虫一匹500円くらいでしょうか。
まとめ
カンタンはスズムシのように飼育することが出来るのですが、肉食性であることから動物性の餌が必要になります。
またヨモギなどの草の上を棲み処にし、餌にもしますので、新鮮なものをたくさん用意しなければいけません。
飼育ケースも縦に長いタイプのものを選ばないといけなかったりと、注意点もたくさんあります。
それにオスを複数匹一緒に飼うと全く鳴かないという現象が起きる、何とも面倒な昆虫だったりします。
スズムシと一味違ったカンタン。
難易度は高いですが、一度挑戦してみたくなりませんか?
その他鳴く虫
その他鳴く虫に関しては、以下の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。