キリギリスといえば、誰もが知っているくらいに有名な昆虫ですよね。
童話の「アリとキリギリス」でも出てきますので、一度は聞いたことがあるかもしれないですよね。
キリギリスはスズムシやマツムシなどと同じく、鳴く虫としても有名なのですが、一概にキリギリスといってもたくさんの種類がいるのはご存知でしょうか。
またキリギリスってどんな生態をしているのでしょうか。
さらには、飼育することはできるのでしょうか。
今回はそんなキリギリスについて、種類や飼育方法などについて、詳しくご紹介していこうと思います。
目次
キリギリスという名称について
単に「キリギリス」といってもそのような昆虫は存在しない、と言った方が良いのかもしれません。
例えば、「アリ」と言っても、実際にはクロオオアリ、クロヤマアリといったように色んな種類と名前が付けられています。
ですので、「アリ」というのはアリの仲間の総称であり、実際には「アリ」という虫は存在していない、という事になるのです。
これと同じようにキリギリスにも色んな種類があり、キリギリスという名前の昆虫は厳密にはいないと言ってよいでしょう。
キリギリスという名称は、古来より色んな意味で用いられてきました。
一般的には「キリギリス科」に分類されている昆虫の総称であったり、さらに細分化して「キリギリス科の中のキリギリス亜科」に分類されている昆虫の総称など実に様々で、曖昧な所があります。
またさらに細分化し、キリギリス亜科の中でも「キリギリス属」に分類されている昆虫をキリギリスと呼ぶ等明確にはなっていないのです。
さらには、コオロギはその昔、キリギリスと呼ばれていたこともあるそうで、地方によってはコオロギをキリギリスと呼ぶところがあるようですね。
キリギリスの種類
蒸気を踏まえると、キリギリスの種類というのも実に曖昧な話になってきます。
キリギリス科の昆虫と言うのは、数多く存在し、亜科に分類すると、「ツユムシ」、「クツワムシ」、「ウマオイ」、「クサキリ」、「ササキリ」、「キリギリス」に分類されます。
もちろんそれぞれがさらに細かく分類できますので、それも含めるとキリギリスの種類はとても多くなってしまいますよね。
キリギリス亜科に限定すれば、「ヤブキリ」、「ニシキリギリス」、「ヒガシキリギリス」、「ヒメギス」などに分類することができます。
キリギリス属のみに分類すれば、「ニシキリギリス」、「ヒガシキリギリス」に分類することができます。
ここではキリギリスはこのキリギリス属の二種を指すことにします。
20世紀までは、これら二種は分けられておらず、日本の西と東でそれぞれ別の種類と認定されたのは1997年になってからだそうです。
それまでは「キリギリス属」はキリギリス一種類だと考えられていたんですね。
またニシキリギリスとヒガシキリギリスの違いは翅の長さと黒斑の有無で見分けることができ、ニシキリギリスは翅が短く黒斑がほぼ見られず、ヒガシキリギリスは翅が長くて黒斑が目立つという特徴があります。
キリギリスの鳴き声
一般的に知られているキリギリスの鳴き声「チョン、ギース!チョン、ギース!」というものですよね。
でも実際にキリギリスが鳴いていても、キリギリスだと分からないことも多いものです。
鳴き声は実際に聞いてみて下さい。
想像とずいぶん違うと思いませんか?
キリギリスの飼育方法
キリギリスは簡単に飼育することができます。
ただし、注意点もありますので順番に見ていきましょう。
飼育ケース
飼育ケースは一般的な昆虫用飼育プラケースでOKです。
ちょっと大きめの方が便利なので、出来宇限り大きめなケースを用意した方が良いように思います。
床材
キリギリスは草の上で生活していますので、床には土などを敷く必要はありません。
むしろ汚れやすく、衛生的に良くないことが多いです。
入れるのはポットに入った植物が良いですね。
そのため、大きなケースの方が都合が良いのです。
キリギリスの餌
キリギリスは雑食性なので、何でも食べますが、どちらかというと肉食性です。
鳴く虫の餌と言えば、ナスやキュウリなどの野菜が多いように思いますが、これではタンパク質が足りなくて、キリギリスは共食いを始めてしまいます。
肉食性の強いキリギリスは放っておくとすぐに共食いを始めるので、飼育する場合はあまり多くのキリギリスを一緒に入れない方が良いでしょう。
タンパク質の補給にはミルワームや高タンパクゼリーなどを与えればOKです。
また、卵を産ませる場合は特にタンパク質を豊富に与えないと、メスは産卵できません。
オスとメスではメスの方が若干大きく、強い傾向がありますので、オスとメスを一緒のケースに入れて飼育すると、共食いが起こった場合に最後に残るのは大きなメスになります。
キリギリスの寿命
キリギリスの寿命は3か月~4か月くらいです。
夏に発生し、9月の終わりに涼しくなってくると次第に姿を消していきます。
キリギリスの繁殖と累代飼育
キリギリスの飼育は簡単ですが、繁殖させて累代飼育するのはかなり敷居が高くて難しいと言われています。
キリギリスの卵は卵のまま数年間冬を越しますが、この間に腐ってしまったり、カビてしまったりで無事に孵化させることはとても難しいとされているのです。
通常来年の春や夏には孵化することが多い昆虫の卵ですが、キリギリスの場合2年~3年もの長い間卵で過ごします。
累代飼育に慣れている人であれば、長期間の卵の保管はできるでしょうが、素人にはとても管理できるほど簡単ではないのです。
キリギリスの入手方法
キリギリスは上記の理由から、ペットショップでは販売されている事はまずないと思ってよいでしょう。
ひょっとしたら一部のショップで取り扱いがあるかもしれませんが・・。
入手する場合は草むらで捕獲する方法が一般的ですね。
どうしても採集できないという場合には、オークションなどで出品されていることがありますし、通販サイトでも販売されていることがあります。
値段はそこまで高くはなく、一匹1,000円もあれば購入する事ができるくらいの値段である事が多い印象です。
まとめ
キリギリス科の昆虫はたくさん存在しますが、キリギリス属に分類されている昆虫は主に「ニシキリギリス」と「ヒガシキリギリス」の二種類です。
キリギリスは飼育は簡単にできますが、注意点はあまり多くの個体を一緒に飼育しない事です。
またタンパク質を多く与えないと、すぐに共食いを始めてしまいます。
また草の上で生活していますので、植木鉢やポットに植えた草木を飼育ケースに設置して飼育しましょう。
また累代飼育はとても難しく、素人には不可能と割り切った方が良さそうですね。
でも難しいからこそ、挑戦してみたくなりませんか?
その他の鳴く虫について
その他の鳴く虫に関しては、以下の記事でも詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。