カネタタキという虫がいるのをご存知でしょうか。
秋になれば鳴く虫、といえばコオロギやスズムシですが、このカネタタキもそういった虫の仲間なのです。
しかし鳴く虫の中での知名度は・・
正直あまり高いとは言えないかもしれませんね。
そんなカネタタキですが、いったいどんな虫で、どういった生態をしているのでしょうか。
また、どんな鳴き声で鳴くのでしょうか。
今回はカネタタキについて詳しく調べ、まとめてみることにしました。
目次
カネタタキとは?
カネタタキはバッタ目コオロギ上科カネタタキ科に分類されているコオロギの仲間です。
体はとても小さく、1㎝にも満たない個体もいるほどで、大きくても15㎜くらいにしかなりません。
すごく発見しずらい昆虫としても有名なようですね。
他のコオロギの仲間と比べてみると、翅が退化してしまっていて、ちっぽけな翅があるのみです。
メスに至っては翅がないのです。
アオマツムシの幼虫と姿がとても似ているという情報があり、パッと見ただけでは見分けがつかないのだとか。
カネタタキの生態
成虫は8月から11月、12月頃まで見ることができ、最も遅くまで鳴き声を聞く事ができる昆虫だということです。
日本では本州、四国、九州、南西諸島に分布し、南西諸島においては通年見ることができるようですね。
樹上性ですので、地面にはめったに降りてきません。
また活動範囲は成長するにつれて減少傾向にあり、成熟した個体は一度登った草木からは降りないというくらいに行動範囲が狭いようです。
ただし、メスや幼虫、新成虫のオスに限っては比較的行動範囲が広いようですね。
また自然の深い森林や山奥などには生息しておらず、都心部の道端の植え込みの中や橋の欄干、公園のフェンスや手すりなどで頻繁に目撃されているとの事。
こういった習性から、家の中に迷い込むカネタタキが結構たくさんいるようです。
カネタタキは害虫!?
人家い迷い込むのもカネタタキの特徴の一つだと言われており、家の中でカネタタキが鳴いていてうるさい!というケースが結構頻繁にあるようです。
カネタタキは夜行性ですから、夜中にこうもやかましく鳴かれては寝るに寝れませんよね。
そこでカネタタキを害虫として駆除を行う人が多いとの事。
しかし小さな虫のカネタタキはその姿を見つけること自体困難を極めますし、鳴き声が聞こえていてもどこにいるのかが全く分からない、なんてことも日常茶飯事。
小さい上にすばしっこいので、殺虫剤も上手く当てることができずに役に立ちそうにありません。
どうやって駆除するのかというと、「ゴキブリホイホイ」が効果的との事。
結構な確率で引っかかるんだそうですよ。
またコオロギらしく、ナスやキュウリが好物ですので、餌でおびき寄せるというのも一つの方法ですね。
カネタタキの鳴き声
カネタタキという名前からも分かるように、「鉦を叩く音」によく似た鳴き声を出すというところからその名が付けられています。
「チッチッチッ・・」とか「チンチンチン・・」という鉦を叩くような音が聞こえたら、それはほぼ間違いなくカネタタキですね。
またオス同士が近くにいると、威嚇してより一層激しい鳴き声になるようです。
カネタタキの飼育方法
カネタタキはコオロギと同じように飼育することができます。
ただし、虫自体とても小さいし、樹上性ですので、大きくて地上凄のエンマコオロギとは少し勝手が違うかもしれませんね。
飼育ケース
飼育ケースはとにかく脱走されにくい事を第一に選んでください。
縦長のケースがあればなお良いですし、小さい穴からでも脱走されてしまいますので、穴が開いている場合にはガーゼなどで覆ってしまう方が無難です。
一度脱走されてしまうと、捕獲するのが非常に困難を極めますので注意すべきポイントです。
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飼育マット
スズムシ用に販売されているスズムシマットでもOKですが、園芸用の土でも大丈夫です。
樹上性ですので、主に草木の上で生活する特徴があります。
飼育ケースの土には植物を植えこんでおくと良いでしょう。
ちなみに自然界では広葉樹を好むようで、草木の種類は特になんでも良いようですね。
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餌
実は自然界のカネタタキが何を食べているのかは、詳しく分かっていないとの事。
おそらくは動物の死骸や若葉などを食べているのではないかと推測されています。
という事はコオロギと同じく雑食性ということになりますね。
飼育下での餌はスズムシの餌を与えておけば問題なく飼育することができます。
他にも金魚の餌や、ドッグフードを細かく砕いたものでも代用可能なので、意外とどんなものでもOKですよ。
またナスやキュウリも好物だと言われていますので、併せて与えると良いでしょう。
飲み水はナスやキュウリなどの水分の多い野菜を与えている場合は特に準備する必要はありませんが、乾燥飼料のみで飼育している場合には、別途水飲み場を設けましょう。
皿に水をしみ込ませた脱脂綿などを置いておくだけで、飲んでくれますので簡単ですよ。
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飼育環境
カネタタキは湿気が苦手です。
あまりに多湿な環境だと弱ってしまうので、通気性が良い場所で飼育するようにしてください。
かといって、水分を切らしてしまっても死んでしまうので、この辺が難しいところです。
毎日定期的に霧吹きをしてあげる事も大切ですが、適度な湿度を保つようにしておきましょう。
繁殖方法
カネタタキの産卵は、土中に行われずに枯れ枝などに行われます。
よって飼育下での繁殖はなかなかハードルが高く、初心者には特に難しいものとなっているようですね。
しかし難しいと分かっていても、一度は挑戦してみたくなりますよね。
カネタタキの入手方法
野外採集も可能ですが、なかなか見つけられないのがネック。
いっその事ショップで購入してしまう方が早いかもしれませんね。
まとめ
カネタタキはコオロギの仲間で、チッチッチッとまるで鉦を叩くかのような鳴き声で鳴く虫です。
たくさんいるのですが、かなり小さく、物陰に隠れていることが多い事から発見することが困難な虫でもあります。
また人家に侵入し、害虫として駆除対象になってしまっている例も結構あるようです。
飼育も可能ですが、小さいので脱走されやすく、一度脱走されてしまうと捕獲がとても困難です。
脱走されないように飼育ケースに工夫を施す必要がありますので、注意したいところです。
その他の鳴く虫
その他の鳴く虫については、以下の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。